基礎講座
わが社の経営革新と宣伝
店の「売り」をつかむ
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商売を見つめ直すきっかけとなった基礎講座「わが社の経営革新と宣伝」 |
「商売を見つめ直す刺激的な企画だった」と好評だったのが、「わが社の経営革新と宣伝」。商売を分析、見つめ直す実践的な分科会となりました。
日本イラストレーション協会の堀田正典代表理事は、商売の足元を視覚的に見つめようと「商売ストーリーレポート」を準備。参加者は店の「売り」(キャッチフレーズ)や商売の目的、客の男女比、年代、地域などの現状と理想を円グラフなどに記入します。
続いて客から寄せられた理想と苦情の手紙を想定し、それへの対応と発見について考えました。記入時間は3〜5分。スラスラと書きこむ参加者もいれば、「お客の男女比はどれくらいだっけ」とうなる参加者も。苦情の手紙を想像する場面では「現実にあったことを書いてもいいですか」の質問も出され、会場は笑いに包まれました。
中小企業診断士の関浦照隆さんは、商売を(1)強み(2)弱み(3)機会(4)脅威―の四つの視点で分析する「SWOT分析」を提案。住宅リフォーム、体験農園、ペンキ屋などの具体的事例を紹介しながら、経営革新のために「何が必要か」を問いかけ、「これまでと違う」ことへの挑戦を呼びかけました。
参加者からは「自分の商売を見つめ直す楽しい時間だった。家族でもレポート作成や分析に挑戦してみたい」との感想が出されました。
変化に対応した金融
融資獲得のポイント学ぶ
金融情勢や金融機関の実態、融資獲得のポイントなどについて学び、討論を深めました。
全国金融労連近畿地連の浦野弘さんは「金融行政は、市場に評価される金融機関を求めている。地域経済が低迷する中で、体力のない信金や第二地銀の統合再編が進められ、地域金融機関としての役割が果たせなくなっている」と指摘。その一方で、貸し渋り・貸しはがしが社会問題になる中で、金融庁の検査姿勢が財務データ本位の融資判断から、事業計画を重視するようになっていることを紹介。「『お客さんの目線』での審査指導が始まっている。今こそ中小業者が地域の宝であることをアピールし、振興条例を地方自治体に求めよう」と訴えました。
京商連の近藤英夫さんは「経営上の戦略を本人が科学的につかむことが大切」と話し、融資相談シートなどを紹介しながら、民商での融資相談の経験を報告しました。
参加者からは「保証協会がOKでも、金融機関がダメと言う」「条件変更の相談に乗ってもらえない」など現場での悩みが出される一方、「振興条例づくりの中で、信用金庫と共通認識をつくることができた」「国会や省庁交渉での成果も活用したたたかいを」など各地域の経験が報告されました。
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