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  トップページ > 国保・年金のページ > 国民年金 > 全国商工新聞 第3273号7月24日付
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年金事務所の強権的な徴収 猶予制度の適用を

全商連の要請に厚労省が回答

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人件費を含んだ売掛金などの差し押さえをやめ、社会保険料の引き下げなどを求めた厚生労働省への要請

 各地の年金事務所が社会保険料の徴収や差し押さえを強めている問題で、全国商工団体連合会(全商連)は6日、「社会保険料滞納に対する強権的な徴収をやめ、払える保険料への改善を求める」要請書を厚生労働省に提出しました。加賀茂副会長をはじめ各地の民主商工会(民商)から27人が参加。猶予制度の徹底や人件費を含んだ売掛金の全額差し押さえをやめることと併せて高すぎる社会保険料の引き下げ、減免制度の創設などを求めました。

扱いは国税と同様 不当事例は対処する

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 要請では「納付できないなら倒産しても構わない」など年金事務所が暴言を吐いている問題を訴え。(1)猶予制度の正確な周知(2)適正な手続きによる対処指導(3)生存権など憲法にのっとった制度の趣旨を理解させること(4)人件費を含んだ債権の差し押さえを正すこと、併せて納税緩和制度を知らせるための対策(5)社会保険料を引き下げ、減免制度や助成金制度の創設-を要請しました。
 対応した厚生労働省厚生年金保険適用徴収専門官は「暴言をよしとしているわけではないので、直接連絡をもらえれば事実確認をして一つひとつ対処する」と約束しました。
 その上で猶予制度の周知について「手引き、パンフレット、申請書の3点セットを年金事務所のカウンターに配置するように再度徹底する。パンフレットを郵送物と一緒に送付することを検討し、9月までに実施したい」と回答しました。
 また、猶予制度の適用について「国税徴収法にのっとって、国税庁と同様の取り扱いをしている」ことを明らかにしました。
 その上で、「申請型換価の猶予は、納期限から6カ月以内の納付分が該当するため、事業者にとって有利になる場合に活用してほしい」と回答。一方で「職権による換価の猶予は、社会保険料は毎月支払いがあるため1年間で納付する計画と担保が必要になるなど条件が厳しく、別枠で考えているためパンフレットにも掲載していない」などの問題点も明らかになりました。
 滞納処分の停止に関して、延滞金の執行停止は「法律的にできないことはない。検討する」と回答しました。

怒りの告発相次ぐ 各地から改善訴え
担当者が代わり態度が急変する
 要請では介護報酬や売掛金が差し押さえられている事例が各地から報告され、岐阜北民商からは2人の会員が告発。年金事務所と相談しながら400万円の滞納分を分納していた介護事業所を運営する会員は、4月になって担当者が変わり、7月までに完納しなければ介護報酬を差し押さえると通告されました。「毎月、当月分とは別に10万円を分納し、前任者は決算書(5月提出)ができたら今後の納付計画を相談しようと言っていたのに急に対応が変わった」と怒りをぶつけました。

約束ほごは問題確認と対応約束
 建設業者の会員は得意先2社の売掛金が差し押さえられ、1社から取引中止を通告されました。経営難から滞納額が400万円に。年金事務所と相談し、毎月の発生分は口座振替にして滞納分は毎月3万円の納付を約束しました。
 2月に入院し手術を受ける厳しい状況下でも、約束どおりに分納していました。
 「来所通知書」(6月8日付)が配達証明で届いたことから、お金をかき集めて15万円を納付しようとしましたが、新しい担当者は受け取りを拒否し、400万円の年内完納を要求。「診断書を見せて働けないと訴えても聞き入れられずに売掛金を差し押さえられ、取引先を失った」と悔しさを訴えました。
 徴収専門官は「年金事務所は約束したことを守らなければならない義務があり、一方的にほごにしてはならない」と年金事務所の対応を問題視し、事実経過を確認し対応することを約束しました。

社会保険料負担軽減してほしい
 千葉・佐倉民商会員も介護報酬が差し押さえられました。同民商の井原雅子事務局長は「『換価の猶予』や請願書を出しても検討されずに納付できなければ差し押さえをすると言われた。中小業者にとって社会保険料の負担は重い。保険料を引き下げてほしい」と訴えました。

介護報酬の中に人件費含まれる
 兵庫・神戸北民商の会員は納付不可能な金額で納付誓約書を書かされた上に介護報酬が差し押さえられました。兵庫県商工団体連合会(県連)の古跡健二事務局員は「差し押さえによって事業所がつぶれれば従業員は辞めざるを得なくなり、利用者も介護が受けられなくなる」と指摘。徴収専門官は「考慮しなければならない問題」と答えました。
 また、「介護報酬の9割が従業員の給与。全額差し押さえることはできない」との指摘に対して、徴収専門官は「介護報酬の中に人件費は含まれる」「介護報酬で成り立っている事業所であることを把握しているにもかかわらず、いきなり全額を差し押さえるのは適当ではない」との認識を示しました。

全国商工新聞(2017年7月24日付)

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