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  トップページ > 国保・年金のページ > 国民年金 > 全国商工新聞 第3245号12月19日付
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社会保険料の差し押さえ解除 民商に出会い事業継続
=東京・練馬民商の建設業者

 社会保険料の滞納を理由に預金口座が差し押さえられた東京都練馬区の井上和夫さん(仮名)=建設=は11月17日、練馬民主商工会(民商)の仲間と一緒に練馬年金事務所と交渉し、差し押さえを解除させました。差し押さえを契機に取引停止された元請け会社との話し合いも始まっています。希望をつないだのは、「払いきれなれない社会保険料に困っていませんか」と呼び掛ける1枚のチラシでした。

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練馬民商のなんでも相談会のチラシ

 「年金事務所が生活権を奪い、零細企業の事業をつぶすようなことをやっていいのかと腹立たしい気持ちでいっぱいだった。民商という組織に出会って私は救われた」。国税徴収法第79条2項(注)で預金口座の差し押さえが解除された井上さんは、民商の活動と仲間に信頼を寄せながら取引再開をめざしています。
 井上さんは6年前、IT関係の法人を引き継ぎ、建設設備や測量・建設コンサルタント、排水(廃水)処理設計、環境に関わるアセスメントなどの業態に一新しました。従業員は6人ほどですが、特殊な技術が認められて4年ほど前から大手ゼネコンからも受注できるように。しかし、経営は決して楽とはいえず、2年ほど前から社会保険料の納付が遅れがちになり、年金事務所に事情を話して分納してきました。

従業員の給料分「優先して払え」
 今年3月、予想もしなかった問題が襲いかかりました。メーンだった建設設備の元請け会社から「諸事情が重なり、仕事を少し待ってくれ」と言われ、4月から8カ月間、仕事が途切れる事態になったのです。「休業でも支払わなければならない従業員の給料が大きな負担になっている」と年金事務所の担当者に相談しましたが、「そのような資金があるなら、こちらを優先して払うべき」と信じられない言葉が飛び出し、井上さんはあ然としました。
 8月時点で未納額は687万円になり、「8月末までに150万円を納める」という約束が困難に。8月31日に3万円の納付を申し出ましたが、受け取ってもらえず、翌日にもお金をかき集めて30万円を納めようとしても担当者は「受け取ると(支払えないことを)認めたことになる」と受け取りを拒否。9月6日、ついに預金口座が差し押さえられました。

差し押さえ通知 取引先まで連絡
 井上さんは「11月に1800万円ほどの工事を受注するので、取引先には通知しないでほしい」と懇願。にもかかわらず、担当者は取引先6社に売掛金の残高確認を強行したことから差し押さえが知れ渡り、工事発注が停止に。「差し押さえが解除されなければ発注できない」と言われました。
 担当者にそのことを話しても、「私は粛々と業務を進めているだけで責任はありません。差し押さえ解除は全額納付が条件」と平然と言い放ちました。「手足をもぎ取り動けない状態にしておきながら、そんな言葉を発するのか」。井上さんは理不尽さと怒りで体が震えました。

チラシ握りしめ 民商事務所訪ね
 解決の糸口が見えない中で、転機が訪れたのは9月27日。この日も社会保険事務所に出向いて「差し押さえ解除をしてほしい」と申し出ましたが、聞き入れてもらえず、井上さんは肩を落とし、階段を降りて帰ろうとしていた時、1人の女性が声をかけてきました。
 「あなたの言っていることは正しい。職員の言うことは理不尽。良かったらチラシを送りますので、ファクス番号を教えてください。相談に乗ってくれるところがあるようですよ」
 翌日、ファクスで送られてたきたのが練馬民商の「なんでも相談会」のチラシ。「困っていませんか?社会保険料『重すぎて払えない…』でも厳しい取り立て…」。チラシに書かれている内容は井上さんの気持ちにぴったりでした。チラシを握りしめ井上さんは10月6日、民商の事務所を訪ねました。
 江森りか事務局長が、「民商は中小業者の営業と暮らしを守るために、団結して要求を実現しているところです。社会保険料を払えず困っている中小業者はたくさんいるので一緒に力を合わせて解決しましょう」と語りかけると井上さんは気持ちが楽になりました。

全国商工新聞(2016年12月19日付)

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