補助金獲得に挑戦! 相談説明会で夢広がる=茨城・水戸民商
「計画づくりは楽しい」
2015年度の補正予算で、中小企業、小規模事業者を支援する施策が発表されています(表1)。その一つ、販路拡大事業に幅広く適用される「小規模事業者持続化補助金」(持続化補助金)の獲得に挑戦する茨城・水戸民主商工会(民商)の取り組みを紹介します。
持続化補助金獲得に向けて、水戸民商は2月末から4月までの間、毎週、「補助金相談説明会」を開いています。現在3人が事業計画を作成中。仲間で話し合いながら「補助金を活用して、こんな店づくりがしたい」と夢が広がっています。
2月23日の説明会には9人が集まりました。話題の中心にいるのは、持続化補助金に挑戦している菊地雅夫さんです。
35年間続く「白河そば店」の2代目ですが、「お客さんが高齢化し、入口の急な階段でよろめいたり、和式トイレの利用が大変と言われたり…」。そこで、補助金を活用して、トイレの洋式化や階段のスロープ化など店のバリアフリーをめざすとともに、高齢者でも食べやすい健康メニューの開発も考えています。
説明会では「補助金を受けるには、思いだけではなく顧客ニーズと動向、効果をどう数字で表すかが大切」と櫻井鉄矢さん=ウェブ・デザイン=がアドバイス。他の参加者も「バリアフリー化して、どれくらいお客さんが来るようになるのか、データがいるね」「お客さんの年齢構成を知ることが大切」と具体的なアイデアを提案しました。
やるべきことを把握した菊地さんは「よーし、楽しくなってきたぞ」とうれしそう。「お客さんに喜んでもらえる店で、安心しておいしいおそばを食べてほしい」と目を輝かせました。
3月8日にはまとめた事業計画書を持って、商工会議所へ。「会社概要欄はアピールをしっかり。地域貢献や将来性を示して」など助言をもらい、もう一度仲間と中身を検討しました。
水戸民商では、個々の経営の力を付けようと経営計画書作りを重視し、昨年7月に初めて説明会を開催。小規模企業振興基本法に基づき県が行った全20回の「いばらき経営向上塾」に5人で参加し、経営理念やSWOT分析などを通して経営力をつけてきました。知り合いや仲間へも説明会を知らせ、今では会外の事業者や若手経営者も参加しています。
「異業種が集まってアイデアを出し合えるだけでなく、資料づくりに協力したり仕事につなげられるのも民商の仲間の輪だから」と説明会を企画した櫻井さん。「自分一人や商工会議所の担当者とだけで事業計画を作るより、みんなでやれば楽しいし、心も折れない。会員同士でアドバイスし合えるように勉強していきたい」と展望を話していました。
全国商工新聞(2016年3月21日付) |