業者支援で地域復興 公的負担の軽減を=岐阜北民商自治体交渉
岐阜北民主商工会(民商)は、小規模企業振興基本法(小規模基本法)に基づいた施策を求め、10月22日に瑞穂市と、11月4日に北方町と懇談しました。市長や町長と直接懇談し、中小業者の切実な思いを伝えました。
滞納者の実情に配慮 瑞穂市長が明言
瑞穂市の棚橋敏明市長(奥)と懇談する岐阜北民商の役員
瑞穂市は、棚橋敏明市長が応対。3年前に単年度事業として住宅リフォーム助成制度を実施していたことなどに触れながら、「財政状況は厳しいが、制度が復活できるか来年度予算を組む中で前向きに検討してみる」と回答しました。
市税の徴収行政については、「破産して他市へ転出した1級障がい者の業者が、障がい者年金が振り込まれた朝に、滞納分として預金を全額差し押さえられた」などの事例を紹介し、広島高裁の鳥取県児童手当差し押さえ取り消し判決に触れて改善を求めました。
市長は「私も自営業の経験があって、市税の納税で苦労したこともある。職員は『課税の公平』を期して頑張っているのだが、滞納者の実情に配慮するようにしたい」と回答。「市民の話を、真摯に聞くのが私の信条。何かあればいつでも訪ねて来てほしい」と話しました。
実情よく聞いて対応 差し押さえで北方町長
北方町では室戸英夫町長など6人が対応。住宅リフォーム助成制度について「考えていないが、耐震工事を支援することを検討している」とし、「地元業者への優先発注については検討する」と述べました。
国保税について、「北方町は、数年前まで県内自治体で1番高かったが、2010年度からは据え置き、低所得世帯の軽減措置を拡大してきた」と説明する一方で、「国保は相互扶助制度であり、需要が高くなれば引き上げもやむを得ない」という誤った見解に終始。
市税や国保税滞納について、町長は「差し押さえも行っているが、滞納者の実情はよく聞いて対応している。生活に必要な資産の差し押さえは行っていない」と明言しました。
懇談では、事前に「『自治体申し入れ』ご協力のお願い」と「中小商工業者への施策を拡充し地域経済の振興を求める要請書」を届け、「小規模企業振興基本法に基づき、『住宅リフォーム助成制度』を復活し『商店版リフォーム助成』を創設すること」「国保料(税)を引き下げ、短期保険証や資格証明書の発行を止めること」など3点を要望。また、住宅リフォーム制度がもたらす経済効果について、近隣自治体の実例を伝えました。
岐阜北民商では、6月から管轄の4市1町との懇談に取り組み、瑞穂市と北方町とは初めて実現しました。
全国商工新聞(2015年11月30日付) |