豪雨被害救済 仲間の支援に全力
記録的な豪雨によって各地に大きな被害が出る中で、民主商工会(民商)・県商工団体連合会(県連)は、実態の把握とともに、被害を受けた会員を訪問するなど、見舞いと支援に乗り出しています。
浸水で濡れた布団を気仙沼本吉民商の事務所に運び込む被災者ら
〈山形県〉
山形県では7月18日の豪雨で17河川で氾濫・洪水が発生。水田・畑など1200ヘクタールが水没しました。県内に出ていた避難指示・勧告は翌19日には解除されました。しかし、寒河江川の濁りによって、河北町、寒河江市、大江町などの約2万1000世帯では1週間にわたって断水が続きました。
飲料水や生活用水がまったく使用できず、給水車の前には長蛇の列。休業せざるを得ない店もありました。
県連の要請を受けて全国商工団体連合会は、近隣の民商・県連を中心に支援を呼びかけ。被害を受けた西村山民商に連絡と支援が次々と入りました。
7月24日には、山形・新庄民商からペットボトル118本を積んで、安食輝敏会長らが支援に。新潟県連からは渡部睦夫県連会長と県連事務局員が約4時間かけてポリタンクと飲料水を持参。原発被害とたたかう福島県の相双民商は約3時間かけて飲料水を届けました。
支援物資は、三役はじめ役員が、その日か翌日には会員に届け、「大変助かった」「民商はすごい。あったか民商を実感した」などの感想が相次いで寄せられました。
〈宮城県気仙沼市〉
26日、宮城県気仙沼市を襲った局部的集中豪雨は、1時間に84ミリの史上最高の雨量を計測。とくに市内田中地区が大きな被害を受けました。
気仙沼本吉民商は雨の上がった翌27日午後、中舘忠一会長を先頭に7人で、田中地区の会員を訪問しました。
驚いたのは被害の大きさで、地域の排水が悪いため膝上まで浸水し、家族総出で水かきをしている家電店、親子2人で店の泥出しをしている布団店、畳を加工する機械のモーターまで水に漬かるところだったという畳店もありました。
見舞いに訪れた一行はさっそく、一番大変そうだった布団店へ。水に漬かった布団は民商事務所に運び、店内の泥出し、店の前の土のう積みに汗を流しました。
〈山口県・島根県〉
7月28日の山口・島根豪雨では2人が死亡、2人が行方不明に。全壊、床上・床下浸水などの住宅被害は山口県だけで1600棟に上っています。
山口県連と県内の民商は、被害を受けた地域、会員に電話などで連絡を取り、安否を確認。29日現在、会員のなかで大きな被害は確認されていませんが、旧山口市内では各地で浸水が報告され、湯田温泉街では、店舗が浸水したり、機械が壊れるなどの被害も。阿東町では断水も続いています。
島根県でも河川の一部決壊などで大きな被害が出ていますが、会員のなかでの被害はなく、両県連・民商は引き続き、豪雨による被害の実態把握を行っています。
全国商工新聞(2013年8月19日付) |