阪神・淡路大震災メモリアル集会 東北3県と連帯
震災発生時刻に合わせて行われた諏訪山公園の早朝追悼式
神戸市中央区の諏訪山公園では17日、早朝追悼式が行われました。約100人が集まり、震災発生時刻の5時46分に黙とう。一人ひとりが哀悼の意を込めて鐘を突きました。
兵庫県も加盟する阪神・淡路大震災救援・復興兵庫県民会議(県民会議)が開いた「東日本大震災被災地と結ぶ 阪神・淡路大震災17年メモリアル集会」は、300人超が参加しました。岩手、宮城、福島県の参加者とともに、二つの大震災が抱える問題を共有し、復興へ向け連帯を深めました。
県民会議の代表委員の前田修弁護士は「東日本大震災の被災地と共同の運動を進めたい。われわれがどんなことができるのか、模索したい」とあいさつしました。
被災者ネットワーク代表の安田秋成さんは借り上げ住宅から退去を求められている問題を報告しました。「ようやくできた住民同士の関係をばらばらにしようというのか。引っ越しが困難な人も多い」と居住の継続を訴えました。
復興への課題を交流したメモリアル集会
二重ローン問題では須磨民商副会長の豊村和正さんが報告。住居兼工場を全焼。事業の再開もかなわず、震災前に借り入れた2000万円を返済するためにさらに850万円を借り入れました。「31歳で被災し、17年間、ひたすら返済の日々を送った。二重ローン解決の成果を東日本で実現し、神戸の被災者にも生かしたい」と語りました。
被災地3県からも現状と課題を報告。東日本大震災復旧復興支援みやぎ県民センター事務局長の菊池修弁護士は、宮城県の被災者無視の復興政策を批判。仮設住宅はプレハブ協会に丸投げ、ガレキ処理を大手ゼネコンに発注、イベント会場復興への多額の資金供出などの実態を告発しました。
集会は融資の返済免除など、この間の被災者救済支援策の遡及適用や、被災者生活再建支援法の拡充などを求めたアピールを採択しました。
長田区では長田民商も加盟する震災復興を考える長田の会が「長田ウォーク」を企画。新長田駅南の再開発を見学。空きテナントだらけの商業施設など、住民不在の復興の問題点が浮き彫りになりました。
全国商工新聞(2012年1月30日付)
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