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  トップページ > 地域のページ > まちづくり > 全国商工新聞 第2780号 4月30日付
地域 まちづくり
 
能登半島地震から1ヵ月の石川県輪島市
困難抱えながら復興へ
地域再生をと業者が奮闘 「多くの観光客に来てほしい」
 能登半島地震から1カ月。被害が集中した石川県輪島市では、11日から伝統の朝市が再開されるなど、復興に向けて足を踏み出しています。体に感じる余震もほとんどなくなり、り災した建物の取り壊しや、改修も進んでいます。地震に負けてたまるかと商売を続ける中小業者の頑張りと、地域経済の復興にかける思いを追いました。

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11日から再開された輪島の朝市は人通りもまばらな状況
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白藤酒造の店頭に張られた新酒発売を知らせるポスター
人のあったかさ感じ思わず涙が
 「商売を始めると少し元気が出てきた」‐能登民主商工会(民商)会員で輪島市鳳至町の寅松征子さん(58)は何よりも民宿「寅さん」のおかみとして、営業再開の喜びを語りました。「民商は地震がおきてすぐに見舞いに来てくれた。お客さんからも40〜50本もお見舞いの電話が来て、匿名の男性からは見舞金が送られてきた。それを見て思わず涙が出ました。人のあったかさを本当に感じた。今は、とにかく観光客に戻ってきてほしい」と話します。
  安倍首相が視察した白藤酒造の店先には「能登半島地震にも負けなかったお酒」と書かれたポスターが。しかし、大正から昭和初期にかけて建てたという酒蔵は土壁が無残に崩れ、ところどころブルーシートで覆われるなど被害の大きさを物語っていました。おかみの白藤妙子さんは「次のお酒の仕込みが始まる秋までには3棟ある蔵のうち1棟だけでも直したい。すべてを直そうとすると1億円以上かかる。被災者生活再建支援法は住宅にしか適用されない。個人の力量では限界があるんです」と行政の支援の必要性を訴えていました。

伝統ある朝市が駄目になる不安
  1000年以上の歴史を持ち、輪島観光の目玉にもなっている朝市は、通行人もまばら。十数年、店を出し続けている宮下富子さん(63)は「観光客がとにかく減った。こんなこと初めて。一人でも多くの人に来てほしい。このままじゃ伝統ある朝市が駄目になってしまう」と切実な願いを話してくれました。
  朝市が開かれている本町通りで35年間、喫茶店「茶房三丁目」を営む能登民商会員・小川逸郎さん(64)は「店を開けてるだけで、気持ちが違う」との思いから震災後2日間だけ休んで、営業を再開。「朝市が再開してから少しずつお客さんが来てくれるようになった。連休までには道路も直るし、観光客も戻ってきてくれるはず」と希望をつないでいました。
  伝統工芸品「輪島塗器」の塗師屋「若島漆器店」の主人、若島孝雄さん(71)は職人歴50年以上の大ベテラン。息子の英孝さん(44)とともに伝統の技術を守ってきました。同業者では、工房の建物や商品など、数千万円以上の被害を受けたところもあります。「輪島塗は分業で、ひとつの工程がストップすると商品が完成しない。スムーズに流れるようになるには2〜3カ月から半年はかかるんじゃないか」と不安を口にします。

輪島漆器組合が復興イベントを
  地元の輪島漆器商工業協同組合では商工会議所などと連携して、27日から「元気です輪島」と題し、復興に頑張る姿を見せようとイベントをおこなうことを決めました。
  観光産業が地域経済の基盤を支える輪島。困難があるなかでも、中小業者の多くは自らの商売に生きがいを持ち、自身の生活再建だけでなく、地域を再生したいという強い思いをもって奮闘していました。
  石川県商工団体連合会と能登民商では、震災後、訪問活動やなんでも相談会を開くなかで、会内外の中小業者の営業と生活の再建相談に積極的に応じ、地域の中小業者からの信頼を深めています。

 
 
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