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水道民営化狙う 命の水が「利益の対象」に=静岡・浜松民商
住民交え問題点学ぶ
水道の民営化で料金はどうなるのか、水の安全性は保てるのか-。水道の民営化が大きな問題となっている静岡県浜松市で、浜松民主商工会(民商)駅南支部は6月20日、「水道学習会」を開き会員や近隣住民など29人が参加し、民営化問題について活発な意見を交わしました。
浜松民商の駅南支部が主催した「水道問題学習会」
水道事業の民営化は、安倍政権の成長戦略の一つ。市が所有したまま運営権を民間に委託する「コンセッション方式」の導入による民営化で、狙いは「命の水」を企業の利益の対象とすることです。
大阪、奈良市でも問題になりましたが、市民の反対で計画は中止に。しかし浜松市は政府主導の下で「コンセッション方式導入可能性調査」を実施。今年4月には下水道事業をフランスの多国籍企業(ヴェオリア社日本法人)に民間委託することを決め、上水道については19年3月までに導入の可否の結論を出す方向です。実現すれば上水道事業の民営化としては全国初となります。
学習会の講師を務めた日本共産党の落合勝二市議は、昨年から始まった下水道コンセッション導入の経過と問題点に言及。その上で、浜松市の上水道は配水条件の良さから水道料金が政令市で2番目に安いこともあって「民営化すればもうけが大きく、外国資本も入りやすくなってしまう」と指摘。「命の水」ではなく「企業利益の対象」としていることに警鐘を鳴らしました。
市が民営化の理由としている(1)浄水場の老朽化・耐震化対策の費用対策(2)人口減少などによる減収(3)技術職員の確保の困難さ-について、一つひとつ反論。
静岡県水道から買わされている年9億円もの余分な水を見直すだけでも費用を十分削減できることや、民営化によるモニタリングチェックでむしろ多額な費用がかかり、民営化によって新たな負担が生まれていることを指摘。下水道の契約では、地元企業をなるべく使うようにとしているものの、大きな金額の工事では、中小零細業者は参入できず、一部の企業に仕事が偏り、地域の活性化につながらない-と強調しました。
参加者からは「年金生活で、水道料金が引き上げられたら死活問題」「25年間の契約が過ぎた後、民営化の問題点が明らかになったとしても元に戻せるのか疑問」「コンセッション方式という言葉もそうだが、市民には全く伝わっていない」などの感想が出されました。
学習会に先立ち、駅南支部は、会場周辺にお知らせチラシを配布。近所や知人・友人などにも学習会のことを知らせ、参加を呼び掛けました。
全国商工新聞(2018年7月9日付)
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