大阪北部地震 民商会員も被害甚大=民商・大商連
実態把握し支援急ぐ
観測史上初めて最大震度6弱を記録し、死者5人(大阪府)、負傷者416人(7府県)、8000棟超(4府県)の住宅被害を出した大阪北部地震(6月18日)。交通網が乱れ、水道、ガスなどライフラインも大きな影響を受けました。民主商工会(民商)・大阪商工団体連合会(大商連)は被災直後から電話、ショートメール、ラインなどを使い安否を確認。自宅や店舗が被害を受けた会員も出ています。
茨木市内を歩くと目立つのが屋根にかけられたブルーシート。雨漏り対策ですが、ガムテープで留めたり、ひもで結んだだけのものも目立ちます。
「市が指定している屋根修理業者は3軒しかなく、住民自身が修理している」と茨木民商の山中亮事務局長。
大商連は「屋根修理ができる業者の紹介を」と府内の民商にSOS。40を超える業者が名乗りを上げ、修理仕事に携わることにしています。
高槻市内では料飲業者を中心に被害が集中。
「被害は70万円を超える」と話す辛萍さん
「ここで頑張る」と笑顔を見せる松村武夫さん
「棚の上に並べていたお皿やお酒の瓶の半分近くが割れた」と話すのは、中華居酒屋「祥来」を経営する辛萍さん。1万円を超えるコース料理の予約もキャンセルされ、アワビ、フカヒレなどの高級食材も無駄に。「営業できなかった日数も計算すると被害額は70万円を超える」と言います。
季節料理「まつむら」経営の松村武夫さんは、自宅マンションで被災。「突き上げるような揺れ」に驚き、すぐさま店に直行しました。幸いなことに数個のグラスが割れただけ。中学卒業後、料理の道に進んで53年になる松村さんは「ここで頑張るしかないから」と笑顔を見せました。
車で睡眠中に震災に遭遇したのは、博多長浜ラーメン「一発屋」の富永龍信さん。「駐輪場の自転車がバタバタと倒れるのが見えました」。22日に予定していた再開感謝セールは、ガス漏れ工事のため1日延期に。創業以来の「お客様ノート」が無事で再開に意欲的です。
「人生で一番の揺れだった」と振り返るのは肉匠「牛久」を経営する布川理久さんさん。店は時計が落ちるなどの被害もありましたが、一番の問題はガスが使えず、揚げ物が出せずに、売り上げも通常の2割にまで落ち込みました。
震度6弱の揺れで煙突が折れた銭湯「平和温泉」(枚方市内)
枚方市内では、大阪商工協議会の会員でもある銭湯「平和温泉」の煙突が折れたほか、兵庫県尼崎市内のボウリング場でも屋根が落下、施設内が水浸しになるなど大きな被害も出ています。壁や柱にヒビが入った民商会館もあります。
各地の民商は、被害実態の把握とともに、罹災証明書の申請や災害救助法適用について、「最寄りの民商へ相談を」と、呼び掛けています。
全国商工新聞(2018年7月2日付)
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