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交渉重ね「空き店舗入居支援補助事業」利用要件を大幅に緩和=岩手・一関民商
補助対象区域など拡大
勝部修市長(左)に制度改善を求める要請書を手渡す小野寺喜久雄会長(2016年6月)
岩手県一関市はこのほど、一関商工会議所と共同で実施している「空き店舗入居支援補助事業」(店舗内外装工事費の2分の1を補助、限度額100万円)の利用要件を大幅に緩和し、商店会や振興組合等の組織がない商店街に新規出店する場合についても、補助が受けられるようになりました。これは一関民主商工会(民商)が市に繰り返し要望していたもので、制度改善は4回目となります。
「空き店舗入居支援補助事業」は、他市町村と合併する前の2000年から開始したもの。ところが、補助の対象となるのは旧一関市内に限られ、「幹線道路沿いにある商店街の1階に入居」し、かつ「商店街が商店会や振興組合等の組織を形成していること」が条件とされていました。年間の予算がわずか500万円に限られていたため、利用実績は年間、2件ほどにとどまっていました。
2012年には、藤沢町内での新規開業を希望する業者が、上記支援制度の活用を申し込みましたが、「旧町村部は対象とならない」と断られたと相談に。民商では直ちに一関市と交渉し、勝部修市長に同制度の拡充を求めました。
その結果、2014年には制度を改善し、藤沢町含め旧町村部も対象に。しかし、「幹線道路沿いの1階に出店する」「商店会や振興組合等がある商店街に入居する」などの要件は残ったままになっていました。
民商は、震災の影響による業者の廃業などで振興組合が維持できなくなり解散している事実を指摘し、要件のさらなる緩和を求め、粘り強く運動を続けてきました。その結果上記2要件も撤廃するに至ったものです。
小野寺喜久雄会長=建築設計=は「商店街から離れて存在している空き店舗が補助の対象外とされているので、今後は『商店街に限る』旨の要件を撤廃させる必要がある」と話しています。
民商では、さらに制度を改善し、新規創業の増加につながるよう、今後も市に対する要請を続けていくこととしています。
全国商工新聞(2017年8月28日付)
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