域内全6市町と懇談・地域の未来語りあう=北海道・室蘭
56条廃止の請願採択も
北海道・室蘭民主商工会(民商)は9月25日までに、活動地域の室蘭、登別、伊達の3市と洞爺湖、豊浦、壮瞥の3町すべてを訪問しました。民商からは田口清英会長など延べ17人が参加。首長らと地域経済を語り合い、豊浦町では所得税法第56条廃止の請願採択にもつながりました。
訪問に先立って、申入書を郵送。自治体側との日程調整もスムーズに進み、4自治体の首長と直接懇談することができました。懇談の場では、出席者全員に小規模企業振興基本法(小規模基本法)を特集した商工新聞と「日本版・小企業憲章(案)」を手渡し、「小規模基本法には小規模企業を支援する自治体の責務が明確に示されている。憲章案に盛り込んでいる政策を自治体の施策に生かしてほしい」と要望し、意見を交わしました。
豊浦町では、村井洋一町長が応対。「地域の業者を優先して仕事を回すようにしている」と話しました。同席した奥津節子婦人部長が「所得税法第56条廃止を求める意見書の採択を」と要望すると、町長が即対応し、その足で議会事務局に要望書を提出。17日、町役場から「9月議会で意見書が採択された」と電話がありました。
会員がいない壮瞥町でも佐藤秀敏町長と商工部長との懇談が実現。住宅リフォーム助成制度や創業資金の貸付制度などを実施しているが、なかなか活用されないなど悩みも語られ、今後の民商の運動に生かせる話し合いとなりました。また、議会の様子も分かり、「所得税法第56条廃止の意見書」採択に向けての可能性も見えてきました。
これまで自治体との関係は「懇談」というよりも「交渉」が中心でした。今回は、地域の活性化や中小業者の営業について一緒に考えていくものになりました。また、自治体の首長が地域の業者の苦難にも思いを寄せて施策を進めている状況も分かり、継続してさまざまな提案を行うことの大切さを実感する行動になりました。
全国商工新聞(2014年10月13日付) |