新燃岳噴火被害 宮崎県へ対策要請
鹿児島・宮崎両県境に位置する新燃岳の噴火(1月26日)によって降灰、空振などの被害が広がっていることから、全国商工団体連合会(全商連)も加盟する「災害被災者支援と災害対策改善を求める全国連絡会」(全国災対連)は3月11日から13日、宮崎県庁への要請行動、被災者への激励訪問を行いました。
西風に乗った降灰は、宮崎県都城市、高原町、小林市などに降り続け、農作物や畜産などに甚大な被害を与えています。厚いところでは10センチにもなる灰を何度も除去しなければならず、住民生活は厳しさを増しています。
新燃岳南側の鹿児島県霧島市では、坂本龍馬ブームで増えていた観光客が激減。風評被害も重なり、2月だけで2万人以上のキャンセルが出るなど、基幹産業の観光で大損失が生じています。
宮崎県への要請行動(11日)では、降灰被害、災害救助法の適用、被災事業者への災害復旧資金貸し付けなどについて、早急な対策を求めました。
宮崎県商工団体連合会(県連)の吉田正春会長は、鳥インフルエンザ、口蹄疫に続く災害に見舞われた中小業者支援のための基金設立などを求めた要望書を提出しました。
降灰被害の実態把握では、民商会員を訪問。2階建ての広大な鶏舎の屋根に降り積もった灰を前に、都城民商の養鶏、鶏肉販売業者は「灰下ろしは専門家に依頼しなければならないが、次々降るのでめどが立たない。鳥インフル対処もしなければならず費用も心配」と不安を語りました。鳥インフル対策ではアルカリ性の消毒用石灰を大量に使用。灰は強酸性のため、その効果も相殺しかねません。黒木さんは、行政の対応を求め、2月の対県交渉にも参加しました。
霧島市では、新燃岳から4キロの老舗ホテルの支配人から状況を聞き取り。「観光振興へイベントや温泉入浴券の発行など、一人でも多くの人に来てもらいたいと努力している」と語りました。
鹿児島県連の重満忍会長は「県内から被災地を盛り上げる行動なども必要」と問題提起。「県災対連」結成への検討などが話し合われました。
全国商工新聞(2011年3月28日付)
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