阪神・淡路大震災16年 被災者救済特別措置を
160人が参加した「阪神・淡路大震災16年メモリアル集会」
阪神・淡路大震災から16年。兵庫県商工団体連合会(県連)も加盟する「阪神・淡路大震災救援・復興兵庫県民会議」は1月16日、「メモリアル集会」を開き160人以上が参加しました。
関西学院大学の室崎益輝教授が「被災者支援制度の現状と課題」をテーマに記念講演。神戸市や兵庫県などが都市再生機構や民間から借り上げた住宅の入居期限(2015年)を前にして、入居者に転居を迫っている問題を取り上げ、「避難所から仮設住宅へ、仮設住宅から復興公営住宅へ、やっと築いたコミュニティーを崩されることは高齢者にとって命にかかわる問題」と指摘しました。
震災直後から被災者の相談に乗っている「ひょうご福祉ネットワーク」の前島豊さんが「2000回の相談会に悩みが寄せられてきた。いまだに生活再建できずに苦しんでいる人たちが大勢いる」と実情を訴えました。
また、宝塚市では被災者の不安を取り除くため市長が借り上げ住宅の20年間の入居期限を延長したとの報告もありました。
集会では、兵庫県、神戸市に対して被災者の暮らしの実態に率直に目を向け、国に特例救済措置を求めるとともに、被災者の生活再建と支援法の抜本改正を求める「私たちの要求」を確認しました。
懸命に営業続ける中小業者
阪神・淡路大震災は、6434人の尊い命を奪いました。被災者への公的支援・直接補償がない中で、店舗や工場が被災した中小業者は、県や神戸市、国民生活金融公庫などの災害復旧融資を借り入れて営業を再開しましたが、その返済が今も重くのしかかっています。県信用保証協会が12月末に発表した災害復旧資金融資の借入残高は119億円に上り、2012年にその返済期限を迎えます。
民主商工会(民商)の仲間も返済に苦しみながらも、懸命に営業を続けています。
三宮でドリンクスポットを営む会員は震災の1年後、国民生活金融公庫や神戸市の災害復旧融資を活用し、1000万円以上を借り入れて店を再建させました。
「こんなことではやめられへん。震災で大変な目に遭ったお客さんも『ママ来たよ』と、店をのぞいてくれる」と、自分を奮い立たせてきました。「条件変更もしたけど、やっと借金も半分以下になってね。返し終えるまで頑張る」と話しています。
神戸市ですし店を営む会員は当時1000万円を借り入れ、店舗兼自宅を再建。据置期間を経て元金4万円を返済していましたが、750万円ほどの残債があります。
工場が全壊した鉄工業の会員は2000万円の借り入れを、半分ほどに減らしてきましたが、リーマンショック以降、元金3万円と利息に条件変更。「今年に入り、返済が苦しくなった」と民商に相談しています。
「必要な復興支援を」
崩壊した街は表面上復興したように見えますが、不況、雇用の崩壊など再建を阻む要因は広がり、地域では格差が広がっています。
また、高齢者や障害者など弱者へのしわ寄せも顕著です。県連では必要な支援が行き渡る復興支援を実現するために引き続き運動を強めることにしています。
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