ホタテ貝大量死 養殖業者の被害調査と救済要請=青森
へい死したホタテの稚貝を前に実態を共産党議員らに訴える
高水温によって陸奥湾内のホタテ貝が大量へい死した問題で、青森民主商工会(民商)は10月12日、奥内支部の会員宅で被害実態についての聞き取り調査を行いホタテ養殖業者ら22人が参加しました。日本共産党の諏訪益一県議、舘田るみ子青森市議も参加しました。
陸奥湾は国内でも有数な養殖ホタテの産地。しかし今年は猛暑の影響で海水温が例年より2〜4度も上昇。養殖ホタテは稚貝を含め、壊滅的な被害を受けています。養殖ホタテにかかわる民商会員は青森民商だけで二十数人に上り、会員からも「今後の生活設計が立てられない」と悲痛な声が上がっていました。
参加者からは「こんな被害は今まで初めて」「壊滅的な打撃。ホタテに成長するプランクトンも海の中にどれだけいるのか分からない」など深刻な状況が相次いで出されました。
ホタテ貝は生産調整もあり、出荷できるのは1〜7月。このため、出荷を終えた人も含め、来年1月以降の出荷はほぼ絶望的。稚貝も打撃を受けているため、少なくても2年間は出荷できない事態となっています。
息子夫婦と孫で頑張ってきたSさんは「例年なら年明けから始まる成貝などの出荷で生計を立てていますが、今回は水揚げが見込まれず収入が全くなくなる。3月までの国保税の支払いや生活費のことを考えるとどうしていいか分からない」と語りました。
青森民商の代表は、実態をさらにつかむとともに当面、国保税の減免、確定申告、消費税申告納付・世帯更正資金、借金返済猶予などの相談をすぐに行っていきたいと報告。「会員以外の人にも相談に乗って、一緒にこの困難を乗り切ろう」と励ましました。
調査で出された要望は陳情書にまとめ、20日に県知事に提出しました。
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