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  トップページ > 地域のページ > 自治体 > 全国商工新聞 第2908号 12月21日付
 
地域 自治体
 

中小企業基本条例の運動すすむ=釧路、金沢白山


 地方自治体が地域の中小企業を重視し、その振興を掲げる中小企業振興基本条例の制定や制定に向けた運動が各地で広がっています。北海道釧路市では今年4月に条例が制定され、08年に施行された石川県野々市町では、条例に基づく施策の充実を求める運動を進めています。

理念達成へ「円卓会議」
  民商会長ら積極参加=釧路民商

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中小企業振興条例の制定を求め要望書を提出する釧路民商(左から2人目が斉藤会長)
 釧路市では中小企業基本条例が4月1日から施行され、11月に設置された「市民協働円卓会議」に釧路民主商工会(民商)の斉藤貞従会長らが参加することになりました。基本条例の制定は、釧路民商も加盟する「いのちとくらしを守る釧路市民会議」はじめ、釧路商工会議所、北海道中小企業家同友会釧路支部などがその制定を求めていたものです。
 基本条例は中小企業を「雇用の主たる受け皿」であり、「人材を育成し」「まちづくりの担い手」として「地域経済活性化の中核的な役割を担っている」と位置づけ、市は工事の発注などにあたり「中小企業者等の受注機会の増大に努める」としています。
 条例制定にあたって、釧路民商は産業労政課に、イオン出店にあたって商店主の声を届けたほか、09年1月のパブリックコメント(意見公募)では「中小企業の声を反映させた条例を制定してほしい」と要望。条例の基本理念を達成するための「地域経済円卓会議」の設置にあたり、公募等を行い幅広い意見の聴取を求めました。
 条例制定後に設置された「市民協働円卓会議」には、釧路民商の斉藤会長ら2人が参加。市民と市職員が対等の立場で地域活性化のための提案をしようというものです。同会議は10年2月まで毎月開催され、「基本条例の市民に向けた周知活動」「産業創出と地域経済振興の拠点設置」などを議論する予定です。
 釧路民商では任意でつくる中小企業円卓会議を設置し出された意見を市に提案していくことにしています。
 斉藤会長は「道東地域は北海道の中でも構造改革の影響が著しく、非常に厳しい状況に置かれている。条例制定は民商が再三要求してきたものであり、厳しい状況のなかで、制定されたことの意義は大きい。円卓会議の中でも中小業者支援策を大いに提案したい」と話しています。

中小企業新農基本条例を施行
  施策具体化など要望=金沢白山民商

 石川県野々市町では、08年7月に中小企業振興基本条例が施行されました。石川県中小企業同友会や金沢白山民主商工会(民商)が同町に要求していたものです。
 産業の99%を中小企業が占める同町では、町の活性化を模索していた粟貴章町長が、岡田知弘京都大学教授の講演をきっかけに「すばやく条例をつくることが大切」と推進してきました。
 条例は「中小企業の振興を図り、活力ある地域社会の発展に寄与する」ことを目的とし、「中小企業、町、町民及び関係団体が一体となって…町の産業に資する政策を推進することを基本」としています。そのために、中小企業の経営の安定・改善、地域環境の整備及び改善、人材の育成、中小企業と大学との連携の推進などを進める、としています。
 条例制定後、町は中小企業の実態調査とともに(1)特別安定資金の創設(保証料44万円まで助成)(2)案内板・街灯の設置補助(3)住宅ローン(勤労者向け)の利子補給を3年間行う‐などの中小企業支援施策を実施してきました。
 また、大学と連携する企業に対して、インキュベーション(起業支援)施設に5年間入居できるなどの支援を実施。酒造会社と大学が共同開発した日本酒を東京のアンテナショップなどで販売するなどの例も生まれています。
 金沢白山民商は条例の具体化をさらに進めるため、11月30日には町職員を招き条例説明会を実施。会員からは小規模工事登録制度の創設とともに、条例を具体化する会議への参加も要望しました。
 民商では、条例をさらに豊かにするため、説明会や実態調査、条例具体化のための会議に参加を申し入れていくことにしています。

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