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青森県 中小企業振興条例制定へ
「受注機会の拡大」を明記
深刻な状況に全会派が一致 |
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中小企業振興基本条例案を全会一致で可決した青森県議会 |
青森県は12月13日、中小企業振興基本条例制定案を全会一致で採択しました。「中小企業は、生産、流通など県内の経済活動の全般にわたって重要な役割を果たすとともに、地域の経済と雇用を支え、本県の発展と県民生活の向上をもたらしてきた」と明記しました。これまで青森県商工団体連合会(県連)が県知事に対して要請してきた「中小業者の担ってきた役割」と一致するもので、歓迎すべき内容です。
秋田市との懇談では、「耐震改修補助制度創設」を要望し、懇談の前日、県内の自治体で初めて「耐震改修促進計画案」を発表しました。そのことに謝辞を述べるとともに、秋田民商として計画策定の意見募集に積極的に参加していくことを述べました。
県連・民商の要望実現
条例では中小企業の受注機会の拡大を求めるなど県の責務を明示し、県知事に対して毎年、主な施策の実施状況の報告を義務付けています。
前文では「本県の中小企業は、事業活動の再検討や事業の方向転換の必要に迫られるなど極めて厳しい経営環境におかれ、活力の低下が懸念される」とし、消費不況の影響を受けてきた中小零細業者の実態を指摘しています。
倒産が相次ぐ
この間、県内では中小業者はもとより、トップといわれる企業の倒産・廃業が相次ぎ、県としても実態を把握する施策を打ち出しました。
05年8月から商工労働部を挙げて県内中小企業の「県内企業元気掘り起し調査」を実施。1000件の中小企業を抽出し、商工労働部局の職員が直接訪問して聞き取り方式で調査しました(この調査は、この後も予算計上し実施)。
こうした動きと同時に、青森県連は05年10月、青森県連婦人部協議会(県婦協)が実施した県内600人への「自営業女性及び家族従業者の実態調査」で「軒並み売り上げが減少している傾向があり、資金力の弱さが恒常化している下で、規制緩和の影響で商売を継続する展望が持てない」ことを明らかにし、「元気掘り起こし調査」の結果でも「置かれている状況は同じ」と県との認識を一致させました。
さらに毎年実施している県知事への要請で、青森県の「わがまち中小業者宣言」制定に向けた提案の具体化を訴え、支援策を求めてきました。
条例は、自民党会派の議員発議によって提案されたものですが、行政が底支えをしなければならない深刻な状況が広がっていることを表しています。
充実させたい
山崎栄作県連会長(63)=建設=は「今はどこの企業がいつ倒産してもおかしくない状況。そうした認識が党派を超えて広がり、中小企業をなんとかしなければ地域経済が成り立たないことが明らかになっている。条例の内容をさらに具体化させ、充実させたい」と話しています。
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