全商連トップページ
中小施策 税金 国保・年金 金融 経営 業種 地域 平和・民主 教育・文化 県連・民商 検索
 全商連とは活動方針・決議署名宣伝資料調査婦人部青年部共済会商工研究所発行案内入会申込リンク
  トップページ > 税金のページ > 消費税 > 全国商工新聞 第3220号6月20日付
相談は民商へ
 

このページをプリントアウトする場合はこちらのPDFをご利用下さい ⇒ 印刷用PDF

 
税金 消費税
 

消費税増税は必要ない タックスヘイブン対策で5兆円の税逃れをただす=合田寛さん(政治経済研究所主任研究員)に聞く

 多国籍企業や富裕層が税逃れのために利用しているタックスヘイブン(租税回避地)の実態を暴露した「パナマ文書」が公開されました。何が明らかになったのか、タックスヘイブンの問題を追及してきた政治経済研究所主任研究員の合田寛さんに話を聞きました。
 ICIJ(国際調査報道ジャーナリスト連合)は5月10日、タックスヘイブン(租税回避地)に関わっていた21万4000件の企業や個人名を公開しました。その基になっているのがパナマの法律事務所モサック・フォンセカから内部告発された「パナマ文書」です。1150万件に上る膨大なデータが南ドイツ新聞に寄せられました。
 そのうち日本の法人・個人が関係しているのは約400件。「税逃れのためにやったわけではない」と言い訳をしていますが、わざわざタックスヘイブンにペーパーカンパニーをつくり、しかも、なぜ名義人をつくって資金を隠すのか、そこには表に出せない意図があり、中でも課税逃れは大きな要素です。それだけではなく麻薬取引や武器密輸など不正取引などで得た資金の温床となり、テロ資金の通り道を提供するなど重大な犯罪や違法行為に加担していた事実も明らかになっています。
世界の税収ロス 50兆円の試算も
 OECD(経済開発協力機構)はタックスヘイブンを利用した多国籍企業の課税逃れは、全世界で年間1000億ドル(約11兆円)〜2400億ドル(約20兆円)あると試算しています。さらにフランスの経済学者トマ・ピケティ氏の弟子、ガブリエル・ズックマン氏は個人の課税逃れは1900億ドル(約26兆円)に上ると試算しています。その他の税収ロスを足せば課税逃れはざっと50兆円ほどになるのではないでしょうか。そのうちの1割が日本の税収ロスとすると、日本政府が徴収できていない税金は5兆円。これは消費税2%分の税収と同じです。タックスヘイブンを利用した多国籍企業や富裕層にきちんと課税すれば消費税10%への引き上げは必要ないわけです。
 日本政府が調査することに及び腰になっている理由の一つに国民の怒りの声が小さいことにあります。抜け穴をくぐった多国籍企業の課税のツケは消費税増税となって国民・中小業者にはね返ってくるわけですから、怒りの声を上げ、日本政府に課税逃れを許すなと迫ることが必要です。
 今の税のルールは時代遅れになっています。グローバル化で世界が一つになっているのに税のルールがバラバラです。一国ではなかなか難しい側面がありますが、法律を強化して包囲網を強め、最終的には国際的な統一した税のルールが必要です。すべての国が参加しなければ不平等が生じます。特に途上国は多国籍企業によって資金が流失していますので、先進国が中心になっているOECDだけではなく、国連の下にルールをつくる。格差を是正するためにもタックスヘイブンへの対策が急がれています。

全国商工新聞(2016年6月20日付)
 

相談は民商へ
ページの先頭