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  トップページ > 税金のページ > 消費税 > 全国商工新聞 第3200号1月25日付
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税金 徴税攻勢
 

消費税増税と複数税率で中小業者に大打撃

10%への増税中止を
最高益を上げる大企業には減税する一方で、所得と消費が落ち込む中小業者・国民には消費税率10%への増税を押し付ける―。日本経済にも国民生活にも深刻な打撃を与える安倍暴走政治に怒りが広がっています。中小業者にとって、消費税は価格に転嫁できなくても、赤字決算でも売り上げが1000万円を超えれば容赦なく課税される「営業破壊税」です。民主商工会(民商)は「10%なんてとんでもない」「5%に戻せ」の声を上げ、増税中止の運動を広げています。

「納税で借金苦」さらに=千葉・佐倉民商

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帳簿を付けながら資金繰りに頭を悩ませる本名節さん

 千葉・佐倉民商の本名節さん=建築=は昨年末、消費税80万円を納めるためにカードローンから借り入れをしました。「年末に取引先の社長が急に亡くなり、工事代金が入金されなくて…。消費税も納められず、従業員に給与も払えない状態だった。年末だったので銀行からの借り入れもできずカードローンを使ってしまった。また、毎月の返済額が増えてしまう。こんな状況がいつまで続くのか…」とため息をつきました。
 夫・甲一さんは20代の時に独立開業。個人事業主として商売を始めましたが、1986年に法人にしました。その3年後に消費税が導入され、それ以来、消費税に痛めつけられてきました。
 「導入時は売り上げが3000万円までの中小業者の負担を軽くするための限界控除制度があったけれどそれもなくなり、税率が5%になってから納税額が一気に増えた。貯金もあっという間に底をつき、生命保険も解約し、消費税を納めるために借金を重ねるようになった」と話します。
 甲一さんの給与を半分に減らし、節さんの給与も小遣い程度に。二人の年金を会社に注ぎ込んで必死に商売を続けてきました。
 一方で、大手ハウスメーカーが町場の仕事に進出し、年間数棟の個人住宅を新築していた仕事もなくなり、地域での仕事は3分の1以下に減少しました。
 税率が8%になり、節さんはこれまでにない厳しさを感じています。
 「売り上げが最盛期の半分にまで落ち込んだ。このままだと本当に息の根が止められる」
 納得できないのは消費税が利益ではなく売り上げに対して課税され、赤字決算でも納めなければならないことです。「赤字で法人税がゼロでも80万円もの消費税が発生し、しかも借金をして納めなければならない。どう考えてもおかしい」と憤ります。
 経営が厳しい中でも本名さん夫妻は「若手職人を育成しなければ建築業界は活性化しない」と若い従業員を積極的に雇用し、国土交通省の支援を受けて運営している「大工育成塾」の入塾生も受け入れて技術指導をしてきました。三男・智さんも後継者として一緒に働いています。
 「息子や従業員の生活を守らなければならない。真面目に仕事をして弟子たちを育ててきた職人の人生も誇りもないがしろにする消費税は許せない。借金まみれの会社を息子に渡すことはできない。10%引き上げは絶対に反対」と声を大にしています。

「軽減税率」で負担増加=東京・板橋民商

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「商売つぶす消費税増税は許さない」と話す猪田佳一さん

 東京・板橋民商の猪田佳一さん=精肉卸・弁当販売=も「商売人の誇りを奪う消費税増税は許さない」と怒っています。祖父の代から地域に根差した精肉店として、高品質の国産肉にこだわり、お客さんを裏切らない仕事を信念に商売を続けてきました。大型店やコンビニの出店などで経営状況が徐々に悪化する中でも、きちんと計画を立て消費税を納めてきました。
 しかし、税率が8%になってからやむなく価格を値上げをすることに。たちまち客足が遠のき、食材の仕入費も高騰して利益が減少。競合店の出店が重なって資金繰りが一気に苦しくなりました。現在は自分の給与から消費税を納めるために資金を回しています。
 猪田さんは消費税10%への引き上げ時に政府が導入を決めた「軽減」税率に疑問を投げかけます。「税率が下がるわけでもなく実際は8%据え置き。納税額が減っても、その分はそのまま仕入先に支払うだけ。食料品以外は10%だから仕入先が値上げをする可能性もある。われわれに恩恵はなく、低所得者対策にもならない」と断言。「消費税増税やアベノミクスで景気は確実に悪くなっている。消費税は5%に戻し廃止すべき」と語気を強めます。
 インボイス(適格請求書等保存方式)制度の導入にも反対しています。「お客さんは昼休みの限られた時間で弁当を買いに来る。3人でやっているうちのような店に1人ずつレジ打ちをしている余裕などない。お客さんを待たせて失う店の信用は、お金で計れるものじゃない。現場のことを何も分かっていない」と怒りをぶつけます。
 「大企業には法人税を減税し、消費税の輸出戻し税を還付する。ため込んだ内部留保を大企業は労働者の賃金に回さない。これでは個人消費は上向かない。増税中止の署名に全力で取り組み、夏の参議院選挙では中小業者の立場に立つ政治家を必ず当選させたい」と決意しています。

全国商工新聞(2016年1月25日付)
 

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