「とても払えない」 消費税増税8%に悲鳴=石川・金沢白山
「なんやこの消費税! 払えるわけないやろ」― 。消費税8%になって初めての確定申告を迎え、あまりにも大きい消費税額に怒りが広がっています。石川・金沢白山民主商工会(民商)は、払い切れない消費税について、3・13重税反対統一行動で集会を開いた後、3人が納税の猶予を申請しました。
福浦義尋会長は8%への増税によって増税分を含めた売り上げは微増したものの、利益は190万円減少。消費税額は47万6200円から90万9200円と約2倍になり、中間申告の対象にもなりました。「町の電器店として、“電球一つの交換でも駆けつける”をモットーに、お客さんとの信頼を大事に商売を続けてきた。休みなしで一生懸命働いても、物価高や消費税増税で利益が上がらず、年金を資金繰りに充てている。あまりに理不尽で、申告用紙なんて見たくもない」と語ります。
Tさんは金沢一の繁華街で、20年以上前からスナックを経営してきましたが、増税後に客足が激減。売り上げが20%近く減少したにもかかわらず、消費税額は37万8500円から41万7400円にと10%以上増加しました。「消費低迷の影響を真っ先に受ける客商売で、消費税の転嫁はほとんど不可能。今年の申告額を目の当たりにし、あまりの怒りに言葉を失った。とても一括では払いきれない」と話し、申請書を提出しました。
今年の申告に際し、会員の消費税課税業者を対象に調査したところ、消費税8%への増税により、1人当たりの消費税負担額は30万円〜100万円以上となり、軒並み増加しました。「業者が支払えない現状を伝えたい」「納税の猶予を活用する道を切り開きたい」と、昨年に引き続き集団申請を計画しました。
集団申請に先立ち、3・13重税反対統一行動実行委員会は「納税の猶予(分納)相談には実情に合わせ丁寧に乗るように」と金沢税務署に申し入れました。
参加者からは「みんなで申し入れることで税務職員の対応が早かった」「昨年に比べ話がスムーズだった」と感想が出されました。
全国商工新聞(2015年3月30日付) |