国民世論が増税止める 不公平な税制をただす会がシンポ
中小業者としての経験から不公平な税制の実態を訴える藤川副会長
全国商工団体連合会(全商連)も加盟する不公平な税制をただす会は10月24日、衆議院第2議員会館内で「安倍政権の経済戦略を問う!−国民・中小企業者への怒涛の攻撃」をテーマにシンポジウムを開催しました。全商連の藤川隆広副会長はじめ、湖東京至税理士、菅隆徳税理士、中央社会保障推進協議会の山口一秀事務局長、中小企業家同友会全国協議会の国吉昌晴副会長の5人が報告。73人が参加し、消費税増税問題や、来年の税制改定で予定されている法人税実効税率の引き下げと、その代替財源としての外形標準課税適用拡大など中小企業への課税強化について検証しました。
日本共産党の佐々木憲昭衆院議員が国会情勢を報告しました。
藤川副会長は、各地で取り組まれた消費税増税後の影響調査の結果から販売価格に転嫁できない業者の苦しい営業実態などを告発。「消費税は景気を底から冷やす」など七つの問題点を指摘しながら、「消費税によって業者も消費者もみんな苦しんでいる。増税を許すわけにはいかない」と怒りを込めて訴えました。
湖東税理士は「政府は戦前から何度も消費税と外形標準課税の導入・拡大を試みてきた」と解説し、「それを阻止してきたのは粘り強い国民の運動」と強調。「外形標準課税で赤字企業への課税を強化することは、憲法に定められた応能負担原則に逆行するもので絶対に阻止しなければならない」と訴えました。
菅税理士は法人税減税の根拠とされている日本の法人税が他の先進国と比べて高いとする主張に対し、「大企業に対するさまざまな租税特別措置を考慮しておらず間違い」と指摘。「大企業優遇税制などをただせば10兆円を超える財源を生み出すことが可能」との試算を紹介しました。
閉会あいさつで代表幹事のFさんは「国民の声が増税をストップさせる力になることに確信を持ち、いまこそ行動を起こそう」と呼び掛けました。
全国商工新聞(2014年11月10日付) |