「増税反対」国会へ
11・19に議員要請、署名集中を
「消費税が増税されて本当に生活が苦しくなった。社会保障に使うと言っていたが何も良くなっていない」―。10%への再増税を狙う安倍政権への怒りが全国で湧き上がっています。各地の民主商工会(民商)は増税を許すなと宣伝・署名に取り組み、「行動するたびに署名の数が増えていく」と世論を広げています。全国商工団体連合会は11月19日に国会要請、署名提出行動を呼び掛け。全国から署名を集中し、圧倒的な国民の怒りを安倍政権に示そうと各地で運動を強めています。
「用紙ほしい」署名次々 宣伝に広がる共感=各界連
全国商工団体連合会も加盟する消費税廃止各界連絡会(各界連)は10月24日、東京・JR新宿駅前で署名宣伝を行いました。各界連が展開中のイエローキャンペーン(黄色いものを身に付けて消費税反対の意思を示す)で黄色一色に彩られた宣伝行動には医師や農民など11団体から29人が参加し、1時間で109人分の署名が集まりました。
司会を務めた各界連の勝部志郎事務局長は「景気が悪化している下で、消費税率を10%に引き上げるなどとんでもない。みなさんも一緒に消費税増税反対の声を上げましょう」と署名への協力を呼び掛けました。
この日の宣伝では、老若男女問わず多くの人が足を止め署名に応じました。「増税されたら生活できない」と署名する青色の髪の若者や、「署名用紙を持って帰ってもいいですか」と声を掛けてくる人など、急速に消費税増税反対の声が広がっています。
新宿で商品管理の仕事をするAさんは「職場では相変わらず人件費の削減ばかりで景気回復の実感は全くない。消費税の前に景気の底上げが必要なのでは」と語り、仙台から来たというBさんは「いまだに仮設住宅で生活する人たちが残されている。被災地の生活再建の点でも、10%に増税されたら困る」と話し署名しました。
各界連は安倍政権に「増税ノー」の民意を突き付けるため、11月19日に署名を結集し、国会提出と議員要請行動を行います。
商売も生活も苦しい 反対の願い実感=神奈川県・川崎中央
神奈川・川崎中央民主商工会(民商)は10月8日、川崎市内の桜本商店街で9人が参加し「消費税率を5%に戻し、増税中止を求める」署名宣伝・シールアンケート行動を実施。64人分の署名が集まりました。
シールアンケートには26人が回答し「消費税8%の影響は」という質問に対し、「負担になった」と答えた人が24人。また、「消費税10%への増税は」という質問に対し、「絶対やめてほしい」と答えた人も24人で、大きく広がる増税反対の願いを実感しました。
対話した商店主は「8%になってから、お客から消費税は取れないし、仕入れの値段は上がってるし…。アベノミクスの実感はない。これで、また10%に上がったりしたら、商売も生活もできない。10%は中止してほしい」と、署名とアンケートに応じました。
午後からスーパー前で行った署名・宣伝行動では、市民に広がる消費税増税に対する不安と怒りの声が多く聞かれました。
年配の女性は「10%になったら生活できなくなるよ…」と困り顔で話し、北欧に住んでいた経験があるという男性は「ヨーロッパみたいに福祉に使えば消費税を20%にしたって文句は言わないけれど、日本は増税する度に福祉が悪くなっていく」と日本の政治の異常さを語りました。
行動に参加したFさんは「自分が日々仕事で感じていた消費税増税の苦しさが自分だけのものではないと実感した」と話しました。また、「消費税が10%になったら商売できなくなるという商店主の声に、何としても消費税を増税させないよう頑張らねば」とみんなで決意を新たにしました。
全国商工新聞(2014年11月10日付) |