大好きな商売続けるために絶対中止!消費税10%
消費税8%の引き上げが中小業者の経営を直撃しています。売り上げや利益の減少に加え、資金繰りが悪化。「商売が続けられない」と悲鳴が上がっています。民主商工会(民商)の会員は好きな商売を続けるため「消費税10%への引き上げは絶対中止」の声を広げ、「消費税につぶされてたまるか」と立ち向かっています。
ブティック経営 おしゃれ奪わないで=神奈川・戸塚
「商売を続けて30年。厳しいってもんじゃない。8%でもやっていけないのに10%なんてとんでもない。再増税は絶対に許さない」。神奈川・戸塚民商の茂木節子さんは怒りをぶつけます。JR戸塚駅前の商店街でブティック「飛鳥」を家族と一緒に経営。「いくつになってもおしゃれをして元気に過ごしたい」という年金暮らしの30年来のお客さんが店にやってきます。
話や相談事をじっくり聞くことを大切にしながら大型店にはできないきめ細かな接客に徹し、最盛期は毎月売り上げを伸ばしていました。
しかし、駅前再開発で人の流れが変わり、長引く不況の影響で売り上げは3分の1に激減。消費税の負担が重くのしかかりました。昨年は30万円の消費税を一括で払えないため、毎月5万円ずつを分納しました。
「延滞税がつくから早く納めたいんだけど、一度ではとても無理。お客さんは年金暮らしだから、2カ月に1度、年金が支給されるときに少しずつ代金を持ってくるの。それでも今までは資金が回っていたけど、もう回らない」と厳しい表情で訴える茂木さん。
店に来るお客さんに「増税中止、5%に戻せ」の署名を訴え、商店街の役員などにも何枚もの署名用紙を預け、1000人近くの署名を集めています。「署名しても8%に上がったじゃないって言うお客さんもいるけど、10%に上がったら生活が大変でしょって話をしているのよ。増税は社会保障のためじゃない、大企業優遇と戦争財源。増税中止の声をもっと大きく広げ、商売を続けたい」と力を込めます。
豆腐店経営 赤字でも課税許せぬ=東京・文京
東京・文京民商の小林秀一さんは昨年、50万円ほどの消費税を納めました。文京区で手作り豆腐の有限会社小林久間吉商店を経営しています。自分の給与を払わずに一括で納付。「ここ2年は赤字続き。法人税と所得税は利益にかかるので、この二つの税金を払うことで会社がつぶれることはない。でも、消費税は赤字でも払わなければならない。こんな税制は廃止すべき」と主張します。
4月から豆腐と油揚げの値段を10円ずつ上げました。値上げは十数年ぶり。この5年間で大豆価格が8%ほど上がり、油も1斗缶が5600円から6600円へ。そこに電気代が上がり、「もうやっていけない」と悩んだ末の値上げでした。
「これまでは黒字になっていた売り上げの水準では、今は赤字になってしまう。消費税率の引き上げと経費の上昇が経営を圧迫している。値上げしても利益が上がるわけではない。10%への引き上げは絶対反対」と言い切ります。
建築業 大企業優遇税に怒り=岐阜・中濃
イラスト入りの手書きチラシを作成して増税中止を訴えているのは岐阜・中濃民商の大塚恵子さん=建築。「専門用語や漢字ばっかりでもう拒否反応。固い活字やパソコン文字では気持ちが伝わりにくい」と手書きでチラシを作ることに。消費税の学習会で輸出大企業の輸出戻し税のことを知ったとき、大塚さんは「なんで? インチキや」と激怒。「輸出大企業は消費税を払っていないんですよ。還付金として戻ってくるんです。消費税は輸出大企業のためにあるんです。社会保障にはまったく使われていない」ことをチラシに書いて班会で活用し、宣伝行動でも配りました。
大塚さんは2年前に税務調査を受けたことをきっかけに民商運動に参加するようになりました。「大丈夫! 商売の主張ができるチャンスや」と仲間に励まされ、「調査は私がやる」と腹をくくり、納税者の権利を主張して納得できる調査結果に終わりました。
「税金は応能負担でしょ。消費税は大企業をもっともうけさせるためのもの。みんな、だまされないで」と大塚さんは増税中止を訴えています。
全国商工新聞(2014年11月3日付) |