消費税「益税」報告 会計検査院に抗議
会計検査院に報告書の撤回を迫る全商連の鎌田副会長(右)ら
消費税の簡易課税制度に「益税」があるとの報告書を発表した会計検査院(注)に対し、全国商工団体連合会(全商連)は11月21日、価格転嫁ができない中小業者の実態を正確に把握するよう申し入れました。鎌田保副会長と勝部志郎常任理事らが参加。会計検査院第一局租税検査第一課の租税統括検査室の監物幸雄室長と飛田春雄副長らが応対しました。
会計検査院が10月に発表した報告書は、簡易課税制度を適用している事業者に「益税」が存在するとした内容で、中小業者が消費税を転嫁できずに廃業に追い込まれている実態を反映していません。
申し入れで鎌田副会長は、取引先から材料費の値上がり分と消費税の値引き強要を受けた資料を示し、「消費税は身銭を切って納税しているのが実態であり、報告書は簡易課税制度の見直しを誤って世論誘導するもので、到底許されない。ただすべきは輸出大企業の輸出戻し税だ」と迫り、報告書の撤回を強く求めました。
監物室長は「申し入れを受ける立場にない。(要請先は)財務省や行政府の分野だ」と繰り返すのみでしたが、「(全商連の営業動向調査や)意見は今後の検査の参考にさせていただく」と述べました。
(注)会計検査院
国の収入支出の決算、政府関係機関・独立行政法人などの会計などの検査を行う憲法上の独立した機関。
全国商工新聞(2012年12月10日付)
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