消費増税法案廃案へ
国会前集会に300人
参議院で「社会保障と税の一体改革」関連法案の審議が進む中、全国商工団体連合会(全商連)も加盟する消費税廃止各界連絡会や国民大運動実行委員会など4団体は7月18日、国会前で集会を開き、300人超が参加しました。「消費税増税は許さない。社会保障大改悪をやめよ」と声を上げました。
消費税増税は許さないと開かれた国会前集会(7月18日)
全日本民主医療機関連合会の吉田万三副会長が主催者あいさつ。決意表明で全商連の勝部志郎常任理事は「野田政権は財界言いなりで消費税率を上げようとしている。原発再稼働やオスプレイ配備の問題、消費税増税への怒りが国民の中にあふれている。地域からの運動を力に一体改革法案を廃案にさせる」と語りました。
全国労働組合総連合や自由法曹団、日本自治体労働組合総連合の代表者が最低賃金引き上げ、衆院比例定数削減反対など要求実現への決意を語りました。
集会に参加した埼玉・川口民主商工会(民商)の役員は「売り上げが減少している。消費税の増税分をキムチの値段に乗せることはできない。お客さんが減ってしまう。増税法案は廃案にすべき」と話しました。
神奈川・三浦民商会長の立本昭治さん=船舶エンジニア=は「民商の陳情により三浦市議会で消費税増税反対の意見書が採択された。私たちが声を上げ増税をやめさせたい」と語りました。
官邸前で抗議行動
首相官邸に向けて声を上げる行動参加者たち
「総理、国民の声を聞いてください」「増税反対」「生活保護は命をつなぐ大切な制度だ」―。生活保護受給者や学生、労働組合で働く人たちが次々にマイクを握り、首相官邸に向かって訴えました。7月18日に行われた「スタンディングアクション(抗議行動)」です。
「声上げよう」
呼びかけたのは、作家の雨宮処凛さんや首都圏青年ユニオン書記長の河添誠さん、ホームレス総合相談ネットワークの大河内知彦さんら幅広い人たちでつくる「このまますすむと困っちゃう人々の会」。ツイッターやフェイスブックで知った人など、170人が集まりました。
毎週水曜日の午後6時から8時、首相官邸前に集まろうと始めたもので、1回目のこの日は宇都宮健児・日弁連前会長が参加。「苦しんでいる人たちが声を上げることが大事。社会保障の改悪を許さないために、この運動を継続していこう」と訴えました。
リレートークで初めにマイクを握ったのは、生活保護の受給経験があるという女性。「マスコミによる一連の生活保護バッシングで受給者は苦しんでいる。就職試験の面接で断られることもあり、なぜ生きることを恥ずかしいと思わなければいけないのか」と思いをぶつけました。
命つなぐ制度
生活保護を受給している女性も「精神的な疾患で生活保護を受けている。当初は『甘えている』と恥ずかしい思いもあったが、今では命をつなぐ大切な制度だと思えるようになった」と話しました。
トークの合い間には、「受給者バッシングはやめろ」「生きやすい社会にするぞ」など、参加者が声を上げました。
この行動にはフェイスブックで知った人も多数参加。その一人、大学で講師をしているという30代の男性は「原発ではあれだけ盛り上がってるのに、社会保障など身近な問題でも動きがあっていいと思っていた」と語りました。地元の中小企業に内定がもらえたという都内の大学生は「消費税増税は奨学金返済で苦しんでいる人をさらに苦しめる。やめてほしい」と話していました。
呼びかけ人の大河内さんは「ここは、社会保障改悪や消費税増税で困る人たちなら誰でも集まれる場というのがコンセプト。みんなが声を上げていく場をつくりたい」と話しています。
全国商工新聞(2012年8月6日付)
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