消費税増税ストップ・社会保障改悪を許さない
各界連が「宣伝集中週間」=街頭の訴えに署名広がる
「消費税増税と社会保障改悪の法案を参議院で廃案に」-。消費税廃止各界連絡会(中央各界連)は9日から15日にかけて、東京・新宿駅前で「宣伝集中週間」に取り組みました。中央各界連に加盟する中小業者、農業者、労働者、女性、医療の団体の代表者が連日、増税阻止を訴えました。
チラシを受け取る通行人や、「友人に配りたい」と増税反対を呼びかけるポケットティッシュを持ち帰る女性など、多くの人たちが署名をしました。
20代の大学生は「法学部で消費税増税による家計負担の実態を学んだ。政治家は国民の厳しい実態を知るべきだ」と話し、求職中の女性は「ハローワークの帰りです。派遣労働には未来が感じられません。消費税10%はひどい話です」と語りました。
小平市の年金生活の女性は「年金支給額が減り、年々生活は厳しくなっているのを感じる。署名に自分の思いを託すことが大切」とペンを取りました。
リフォーム業者の男性は「10%になれば、お客さんから増税分の値引きを求められるだろう。売り上げが減ることになる。景気を良くしてほしい」と切実です。
宣伝カーでマイクを握った全国商工団体連合会の西村冨佐多副会長は「中小業者は売り上げと利益が減り、大変な思いで商売をしている。弱者に負担を強いるのが消費税だ。輸出大企業は還付を受けているのが実態。消費税の増税は断固反対。参院で廃案に追い込もう」と呼びかけました。
「解散して信を問え」=国会前で抗議行動
消費税増税は許さないとシュプレヒコールする静岡県の民商の人たち(11日、国会前)
消費税増税と社会保障改悪の8法案が参議院で審議入りした11日、国会前で抗議集会が開かれ、400人が「法案を廃案にせよ」「政治談合は許さない。国民の信を問え」とシュプレヒコールしました。
全国商工団体連合会(全商連)も加盟する国民大運動実行委員会、安保破棄中央実行委員会、消費税廃止各界連絡会、中央社会保障推進協議会が共同で開催したもの。
全商連の西村冨佐多副会長が主催者あいさつ。各分野のたたかいの交流で、全商連婦人部協議会の大石邦子会長が、この間の運動で増税阻止の世論を広げてきたことを紹介。「いかなる理由でも増税には反対。地域で商売に頑張る業者婦人の努力を踏みにじる消費税増税を阻止し、業者婦人として生き抜きたい」と力を込めました。農民や教職員などが「社会保障と税の一体改革」やTPP推進、オスプレイ配備、原発再稼働への怒りを語りました。
抗議集会後、東京、埼玉、神奈川など首都圏の民主商工会(民商)や東京土建、労働組合が参議院議員への要請行動に取り組みました。
また、静岡県の民商から参加した7人は、静岡県選出の国会議員などに要請。浜松民商婦人部員の井口睦子さん=美容=は「今でさえ消費税を転嫁できない。不況でお客さんも減っているのだから、消費税10%はやめてほしい。景気を良くしてほしい」と語りました。
不公平正し財源確保を=学習交流集会に80人
国民大運動実行委員会が主催した学習交流集会(11日、全労連会館)
全国商工団体連合会(全商連)も加盟する「軍事費を削って、くらしと福祉・教育の充実を 国民大運動実行委員会」は11日、全労連会館で「消費税増税阻止・民主的行財政確立にむけた学習交流集会」を開き、80人が参加しました。
主催者あいさつで全国労働組合総連合の大黒作治議長が「国民との約束をほごにし年間20兆円もの国民負担を押し付ければ、景気と税収の悪化は避けられない。これまでの政府によりずたずたにされた所得再分配機能を回復し、内需中心の景気回復を求める。消費税増税など一体改革の暴挙を許さない国民運動を広げよう」と呼びかけました。
「不公平な税制をただす会」事務局長で税理士の富山泰一さんが「作られた財政危機〜分配と再分配の是正で財源が生じ景気も回復する」をテーマに記念講演。小泉改革の規制緩和策で労働者のリストラを合法化し、優遇された大企業の「もうけ」を労働者に分配しない仕組みが作られたことが、格差と貧困を広げた原因と指摘。現在の大企業・資産家を優遇する「不公平税制」を消費税導入以前に戻すことなどで「消費税を増税しなくても、十分な財源は生まれる」と強調しました。
東京・文京民主商工会(民商)の小林秀一副会長=豆腐製造販売=は「今期の消費税の納税額は私の給料の2カ月分。増税されれば、街の豆腐屋はひとたまりもない。値上げすることはできず、身銭を切って納税することになる。消費者とも力を合わせ、税率引き上げには断固反対する」と訴えました。
農民連、自治労連、全教、年金者組合の代表者が運動と増税阻止の決意を表明しました。
全国商工新聞(2012年7月23日付)
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