消費税 身銭切る中小業者 国会で告発=衆院予算委質疑(共産)
10日に開かれた衆院予算委員会で、基本的質疑を行った日本共産党委員長の志位和夫衆院議員は、消費税の転嫁問題を取り上げ、野田内閣の認識をただしました。消費税が導入されてから23年間、中小業者が消費税を転嫁できずに身銭を切って払ってきた実態が浮き彫りになりました。
志位氏は、売り上げ1500万円未満の中小企業の7割が消費税を転嫁できない実態を示し、「転嫁できない場合、消費税はどこから出すのか」と質問。安住淳財務相はまともに答えられず、「弱い立場の事業者が不利益をこうむることがないようしっかりやっていく。独禁法や下請法で禁止している優越的地位の乱用などをさせないよう厳しい対応をしていく」と答弁しました。
衆院予算委員会で消費税の転嫁問題を追求する日本共産党の志位委員長(NHK国会中継より)
赤字でも払う
志位氏は、消費税は赤字でも、転嫁できなくても払わなけらばならない過酷な税金。消費税を増税すれば、景気がさらに悪化し、消費増税分を上乗せすることができない中小事業者の商売は成り立たなくなると指摘。「消費税を払うために家族の保険を解約せざるを得なかった」という東京都文京区内の豆腐店の声や、昨年の収支が160万円の赤字だったという大田区内の町工場の社長が自分の給与で赤字を補てんし、預金を取り崩して消費税を支払っているなど、中小業者が身銭を切らざるを得ない実態を告発しました。
野田佳彦首相は転嫁できない実態を否定できず、「5%だろうが10%だろうが、円滑に転嫁できる仕組みと努力を政府あげてしていく」と答えるのが精いっぱい。志位氏は「(消費税導入後)23年間も転嫁できない事実があるのにどうやって転嫁できるのか。増税して中小業者が持ちこたえられると思うのか」と怒りを込めて野田首相の姿勢を追及。さらに「中小企業団体もそろって景気への懸念を表明している。内需の6割を占める家計消費と、雇用の7割を支える中小企業に破壊的な影響を与え、暮らしも、経済も、財政も壊す消費税大増税には断固反対」と述べました。
全国商工新聞(2012年2月27日付)
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