署名対話行動で51業界団体を訪問=東京
「消費増税困る」と賛同
「消費税増税をやめ、国民・中小業者の暮らしと経営を守れ」―消費税増税の阻止と危機打開をめざし、全国の民主商工会(民商)では、全中小業者を対象に旺盛な対話活動を進めています。東京商工団体連合会(東商連)は9月13日から51の業界団体へ訪問行動を開始。「署名推進運動本部」を設置し、全会員参加の運動めざし全力を挙げています。
東京中小企業家同好会と懇談する西村冨佐多東商連会長(左)と工藤勝人事務局長
西村冨佐多会長(全商連副会長)と工藤勝人事務局長は9月28日、東京中小企業家同友会を訪問。松林信介事務局長ら2人が応対し、税制や中小企業政策などの問題について懇談しました。同友会では消費税をめぐる議論で「国の財政を考えると増税は仕方がない」の意見が減り、「この不況の時に5%の増税はないだろう」という意見が増える変化が起きていることが明かされました。松林事務局長は「消費者にとっては物価が上がり、価格に消費税分を転嫁できない中小企業は利益が減る。法人税を下げるくらいなら消費税を下げてほしいという声もある」と述べ、署名賛同の検討を約束しました。
また、お互いに60年に及ぶ歴史を振り返り、戦後の大企業優遇政策を批判しつつ、中小零細企業発展のための運動でも意見交換。6月に閣議決定された「中小企業憲章」について、「国会決議にしたい」「内容はいいが、内需振興へ実効性あるものに発展させる必要がある」と運動の展望を語り合いました。
カットグラス工業協同組合では職人への支援が話題に
どこでも対話に
東商連では、個人・団体署名、全国商工新聞見本紙などをセットにした封筒を51業界団体に郵送。東商連三役や民商役員・事務局員らで分担し、訪問してきました。対話できた多くの団体で「署名趣旨は確認した。次の理事会で検討する」との返答がありました。
墨田区内の製造関連組合では理事長が応対し、「法人税減税といっても中小零細業者はほとんどが赤字。景気を良くしてほしい」と対話になりました。
台東区内の美術関連組合では、「こういう署名ならやりますよ」と理事長がその場で快く署名。全国商工新聞を紹介すると「毎週発行できるのはすごい」と驚いていました。
「消費税が増税されたら商売が続けられません」と訴える武藤副会長(左)
都化粧品装粧品小売協同組合では、申し入れ趣旨を確認した職員が理事長に電話をかけ、訪問した武藤幸子副会長に取り次ぎました。武藤副会長の「消費税が増税されたら商売が続けられません」という真剣な訴えに電話越しの理事長は理解を示し、署名押印を了解しました。
また、「組合員の廃業・退会が止まらない」、(墨田区・加工関連組合)、「かつては2000人いた組合員が、今では59人に」(冷菓関連組合)など苦境が語られ、「とにかく景気をよくしてほしい」「生活費非課税は私たちの要求と同じ」など、政治に対する怒りや要望が出されました。
また、「職人の最低賃金を守るために自治体の支援も受けて業界アピールに努力している」(東京カットグラス工業協同組合)と、業界存続への努力も交流しました。
全会員の力で運動推進 東商連が署名推進本部設置
東商連は8月29日、第1回理事会で「署名推進運動本部」の設置を決定。9月9日の1回目の会議では、要求運動と組織建設の両面から「署名運動で会外業者に民商の値打ちを知らせる」「全会員参加の署名結集を強め、家族以外に署名を広げる会員を増やし、拡大にも結びつけよう」と討議しました。10月4日の「国会要請行動」には1会員5署名を持ち寄り、さらに広げることを決めました。
署名推進運動本部長の武藤副会長は「参議院選挙で、本当は消費税増税反対なのに、マスコミに扇動されて多くの国民が増税やむなし論に傾倒してしまった。署名で増税勢力に負けない世論づくりに全力を挙げたい」と、署名推進の意義を力説します。
東商連は9月21、22の両日、「全都仲間増やし行動デー」に取り組み、商工新聞読者40人、会員11人を拡大しました。西村会長は「一部の役員だけによる奮闘ではなく、班や支部に依拠し、全会員の力で組織建設を進めなければならない。その力を引き出すのが署名。組織を強く大きくして、要求実現の力にしたい」と話しています。
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