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  トップページ > 税金のページ > 消費税 > 全国商工新聞 第2945号 10月4日付
 
税金 消費税
 

多くの国民が安心できる税制に=(株)アシスト代表取締役 ビル・トッテンさん

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 少なくとも10年以上にわたり、私は消費税反対を訴えてきた。家計所得が少なくなるほど、消費に回る所得の割合は増加する。年収が低い世帯は貯蓄を食いつぶし、年収以上を消費に回さなければならず、一方で高額所得者は年収の一部しか消費に回していないからだ。現在の日本社会においてこれ以上消費税を上げることは、格差をさらに広げる以外のなにものでもない。
 食べ物や医療といった生きるために必要なものにも5%の消費税が課せられるが、政府が徴収すべきはほかにある。
 たとえば投機家が行う通貨売買や、デリバティブのようなばくちに対して税金を取るべきだ。07年のデータだが、1日に36兆円の円が外国為替市場で売買された。この年の日本の1年間の貿易額は157兆円なので、わずか4日の通貨売買額で日本全体の製品やサービスの年間貿易額になる。この1日36兆円の円の売買に1%の税金をかけるだけで、日本政府は年間132兆円の税収を得られる。これだけで日本の現在の国税と地方税の税収合計100兆円を大きく上回る。日本国民に5%もの消費税をかけられるのだから、日本の通貨を投機のために売買する人たちにわずか1%の税負担をしてもらうことを躊躇する理由は何もない。
 もう一つ最近感じることは、日本人はあまりにも消費中毒になっているということだ。天然資源の枯渇や地球環境保全といった大きな視点から考えると、われわれは「消費」そのものについて再考するべきだ。この観点からいうと、食料品や医療への税は撤廃するが、生命維持にとって必要ではない娯楽性の高いもの、ぜいたくな製品、海外旅行などには、かつての物品税以上に高額の消費税を課すべきではないか。同時に所得税を昭和の時代の累進税率まで戻す。
 消費税について論じるときはあらゆる税制度を同じテーブルの上に乗せ、一部の国民を富ませるのではなく、より多くの国民が安心して暮らせるような税制度になるよう考えていかなければいけない。

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