許すな消費税10%=作家・室井佑月さん
私の事務所も中小企業なんです。社員1人にアルバイト1人。私も含めて3人。でも今、仕事が少なくなっているんですよ。
消費税が上がったら、中小企業はどんどんつぶれるんじゃないかな。だけど何とか頑張らなければと思うの。大企業はリストラできるけど、ウチはそんなことはできない。みんな家族みたいなものだし、会社も私にとっては家族だから。
もともと消費税って、みそやしょうゆ、お米まで貧乏な人からお金持ちまで、同じ税金がかかる。生活が大変な人たちがより打撃を受ける税金でしょう。それを10%に上げるなんておかしいよ。
だって民主党はムダをカットしたら財源はあるって言ってきたでしょう。それなのに「危機だ、危機だ」って騒いでいる。なんかおかしくない。強い経済と消費税の増税がどうして結びつくのかも分からない。消費税を上げたら、景気は落ち込んじゃうでしょう。
私は力を持っている人ってあまり好きじゃない。いろんな仕事をやってきたけど、いつも「あなたはいらない」って言われてきたから。
長く続いたのは水商売と物書きだけ。小説を書いていると、いろんなことを想定するから、力を持っている人が弱い人を相手に「ウソ」や「ゴマカシ」を言っているのが分かる。数字をいっぱい並べたり、すぐにキレる人はゴマカシが多いね。
コメンテーターとしてテレビにも出ているけど、最初はなんのために出ているのか分からなかった。でも最近、テレビを見ているおばさんがひっかかる疑問、これをぶつければいいんだと分かってきたんですよ。消費税問題でも、強い経済と増税がどうして結びつくのって、やっぱり分からない。財政危機の打開策を私は言えないけれど、ゴマカシを見抜いて質問すること。「文句たれ」かもしれないけど、ひるまず質問することが私の仕事だと思っています。
日本は資源はないけど、技術や教育で伸びてきた国。それを支えてきたのは大企業じゃなく中小企業でしょう。そこを大事にする経済にしなくちゃダメよね。
むろいゆづき 1970年青森県生まれ。女優などを経て小説多数発表。テレビなどで活躍中。
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