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えっ消費税が18%に!?
社会保障国民会議が年金財源で試算
庶民に負担増押し付け狙う
Q&Aで解説
政府(社会保障国民会議)は5月19日、基礎年金を全部消費税でまかなうと最大で税率が18%にもなるという試算を発表しました。庶民には重税を課しながら、大もうけしている大企業には減税に加え、さらに巨額の基礎年金負担分を免除する内容です。ガソリンをはじめ物価が上昇するなか、「どうやって払えというのか」と怒りが広がっています。Q&Aで解説します。
Q 試算はどういう内容ですか。
A 社会保障国民会議は福田首相の諮問機関で、「社会保障財源」を口実にした消費税引き上げなどを主な検討課題として、1月から議論を進めてきました。
来年決まっている基礎年金の国庫負担割合を3分の1から2分の1に引き上げるのに必要な財源2兆円を消費税の増税1%でまかなった上で、基礎年金財源を現行の「社会保険方式」から「税方式」に移行した場合を4つのケース(表1)で試算しています。
財源はすべて消費税増税によるとして、09年の消費税増税は4・5〜13%(増税後9・5〜18%)と、9〜33兆円もの大幅な増税となります。サラリーマン世帯はいずれのケースも低所得者ほど負担増になり(図1)、年金受給者にとっては、せっかく払い終えたのに消費税の負担増だけが襲いかかります。
Q 中小業者への影響は。
A 政府は「全般的には消費税負担の増加額よりも保険料負担の軽減額の方が大きくなる」と述べていますが、保険料を減免・未納している低所得者層では消費税の負担増がより大きくなります。また、消費税課税事業者にとっては、中小業者ほど消費税を価格転嫁できず、納付消費税も大きな負担になります。
本紙が川越民主商工会(民商)の資料をもとに消費税9・5%で算したケース(表2)では、納付消費税も含めて7万9000円もの負担増となります。税金を滞納する中小業者が続出することが予想されます。
Q 大企業の年金負担分はどうなるの。
A 全税額方式では企業の基礎年金保険料負担(社員と折半)約3〜4兆円がゼロになり、その分が庶民の家計負担として転嫁されます。トヨタ自動車は年間114億円、キヤノンは38億円もの大幅な負担軽減となる試算もあります。
さらに経団連の御手洗冨士夫会長は、基礎年金だけではなく社会保障財源すべてを消費税増税で充てることを臆面もなく主張し「10%ではやがて済まなくなる」などと言っています。
Q 試算にはどのような狙いがあるのですか。
A 政府は何がなんでも来年からの消費税増税に道を付けたい。最初に消費税18%ものショッキングな数字でアドバルーンを揚げ、国民に社会保障のためには消費税増税やむなしと思わせ、6月末に予定される政府税調や自民税調の税制論議につなげていこうという魂胆です。
民主党は消費税率5%の維持を掲げていますが、消費税を「社会保障目的税化」する方針。今後財源問題で政府につけこまれる可能性もあります。
誰でも受給できる「最低保障年金」の創設は、年金不安の解消に不可欠です。その財源は税の基本である応能負担原則に基づき、史上空前の利益を上げている大企業や大金持ちに厚い負担を求めるとともに、4兆円もの軍事費の無駄遣いをなくして確保すべきです。 |
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