白色申告の記帳義務化 納税者権利規定を放棄 国税通則法改悪強行へ
政府税制調査会は11日、21日召集予定の臨時国会で国税通則法「改正」案の成立を強行する姿勢を固めました。法案では、白色申告者の記帳義務などを盛り込みながら、衆院選公約だった「納税者権利憲章の制定」を放棄。徴税権を一気に強化しようとしています。
国税通則法改悪案の内容は別表のとおりです。「権利憲章」と「税務手続の追加」という「権利」関係の条文を投げ捨て、「義務」のみの押し付けを狙っています。
今回の改悪法案は権力的徴税を強化による消費税増税をはじめとする庶民増税への地ならしにほかなりません。
昨年12月、菅内閣が閣議決定した11年度税制改正大綱は、「納税の権利を憲章化する」との名目で国税通則法改正を提案。納税者の「権利」を言いながら「義務」を明確化する「納税者権利憲章の制定」を掲げました。
今回、「税務調査の事前通知なしの例外の法文化」「帳簿書類の提出義務」を押しつけ、さらに所得税法を改悪して「白色申告者に対する記帳義務の拡大」など、納税者の権利の根幹を脅かす内容は原案のまま提案されます。
全国商工団体連合会(全商連)と各地の民主商工会(民商)は、「納税者の権利を守ろう」と「改正」反対の運動に奮闘。
日本弁護士連合会の反対意見書や多くの税理士、業界団体なども反対の声を上げ、法案成立を阻んできました。
ところが民主党・野田内閣はこうした声を無視して、自民党との密室協議によって同法改悪を強行する構えです。
全国商工新聞(2011年10月24日付)
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