誰でもできる法人決算(4) 学習会スタート
「決算整理の仕訳」も学び合い
「誰でもできる」パンフを活用した札幌西民商の学習会
北海道・札幌西民主商工会(民商)は事務局員が新しくなったことをきっかけに、これまでの法人決算のあり方を見直しました。「民商活動の原点は集まって、話し合い、相談し、助け合って、営業と生活を守ること。記帳でも決算でも誰かに“お任せ”するのは民商運動ではない」と討議。同じ決算月の法人会員に集まってもらい全商連の「その気になれば誰でもできる〜小法人の決算・申告」のパンフを活用して学習を始めることにしました。
7月22日の学習会には7月決算の法人会員や記帳を任されている家族など5人が参加。ほとんどがパソコン記帳をしており、損益計算書や貸借対照表はすでに打ち出していました。しかし、ここから先の棚卸や原価計算、売り掛け、買い掛けの整理、減価償却費の計算などの決算整理の仕訳が分かりません。さっそくパンフの「法人の決算整理とは」から学習を開始。減価償却の計算では、「新しい車を購入した」というTさんが自主計算パンフの耐用年数一覧表もめくりながらパソコンに打ち込みました。
また、決算整理が終わってからあらためて貸借対照表や損益計算書を打ち出し、昨年の数字と比較したMさんとIさん。「何とか黒字になった」「今年は売り上げが落ち込んで大きな赤字になった」などと状況を出し合いました。今後の商売への不安や夫との経営方針の違いなど話題が尽きませんでした。
手書きで毎月記帳をして1年間の合計を出していたNさん。「すごいね。パソコン記帳なら得意だけど、手書きは理屈が分かっていなければできない」と話す人も。Nさんは「抜けている経費もあったので、これからは息子がパソコンができるし、パソコン記帳に挑戦したい」と意欲的でした。「決算が出来上がれば、パソコンソフトで申告書が作成できる」との期待も寄せられ、初めての顔合わせでも和気あいあいとした学習会になりました。
この取り組みがきっかけとなり、記帳学習会を開くことを決め、8日から本格的にスタート。「『みんなが先生、みんなが生徒』でパンフを活用しながら記帳学習会を発展させ、法人会員の集団申告もやろう」と話し合っています。
全国商工新聞(2015年9月28日付) |