消費増税は不要 財源を提示 不公平な税制をただす会
全国商工団体連合会(全商連)も加盟する「不公平な税制をただす会」は6月4日、「安倍内閣の税・財政改革の危険性-インフレターゲットでは国民生活はよくならない」をテーマにシンポジウムを開催しました。
4人の講師が報告しました。ただす会の代表幹事の富山泰一氏は、国債の大量買い入れなどで「2%のインフレターゲット」を日銀に強制する「アベノミクス」と消費税増税は国民生活と中小事業者を破壊すると批判。「生活必需品にまで課税する担税力無視の消費税は廃止すべき。法人税や所得税を応能負担の原則に基づき、税制改正を行うべきだ」と指摘。富裕税の復活と金融取引税の導入の必要性を強調しました。
立正大学法学部客員教授の浦野広明氏は、富裕層への優遇税率を温存する「2013年度税制改正」の批判と、コンピューターによる納税者の管理支配政策である「番号制」はプライバシー権(憲法13条)の侵害と指摘しました。
さらに消費税増税を中止させるために「私たちの代弁者を国会に送るため、選挙で最大限の奮闘をすることが自明である」と述べました。
元静岡大学教授の湖東京至氏は、日本のような消費税(輸出還付金制度)が存在しないアメリカでは「還付金は事実上の輸出補助金であり、自国の企業が不利になると考えているはずだ。日本政府・与党は、国内の増税反対運動の盛り上がりと、アメリカの増税抑制の『圧力』が起こることを恐れているのではないか」との見解を示しました。
ただす会の事務局長の荒川俊之氏は、2013年度の不公平税制の是正による増収試算が、国税と地方税の合計で21兆6190億円に上ったと報告し、「不公平な税制を正せば、消費税の増税は必要ない」と強調しました。
このシンポジウムに先立ち、経済研究者の友寄英隆氏が「『アベノミクス』の新たな局面と、その行方」と題し、記念講演をしました。
全国商工新聞(2013年7月8日付)
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