県税滞納 納付相談中は差し押さえしない=山梨
山梨県商工団体連合会(県連)の雨宮富美雄会長ら5人は先ごろ、県知事宛てに税務行政の改善を求める要望書を提出し、生存権的財産の差し押さえを行わないことなどを要請しました。応対した県税務課は納税者と納付の相談をしている間は「差し押さえはしない」と回答しました。
提出した要望書は、(1)「徴収猶予」については、災害・病気だけでなく資材の急騰や親会社からの発注減少、市場の悪化など場合にも積極的に適用すること(2)「徴収猶予」の申請は受理することが原則。納付計画の記載がないことをもって受理の拒否をしないこと-など5項目。
雨宮会長は県の地方税滞納整理推進機構について、「今年度の滞納整理基本方針で『納税の猶予制度の適切な活用』が明記されたことは、今までの差し押さえありきの姿勢からの変化だと受け止めている。生活困窮者の実情に沿った対応をさらに進めてほしい」と求めました。
役員は「年金や給料まで差し押さえるのは、生存権を脅かすもの。臨戸(戸別訪問相談)をして生活実態の把握の努力をすべきだ」「市町村に滞納整理の目標を押し付けることはやめるべきだ」と要求しました。
県税務課は「適切な徴収指導を進める。(滞納者との)相談中に差し押さえることはしない。給料の差し押さえは手間がかかるから、こちらもしたくはない」と明言しました。
要請には日本共産党の小越智子県議が同席しました。
全国商工新聞(2012年11月26日付)
|