強権的な地方税徴収 仲間と力合わせはね返す
滞納整理機構に提出した「滞納処分の執行停止を求める請願書」
岩手県地方税特別滞納整理機構(滞納整理機構)に「滞納処分の執行停止を求める請願書」を提出していた、北上民主商工会(民商)のYさん(仮名)=ラーメン店=は10月12日、市県民税と国民健康保険税の滞納額約262万円(平成16、17、22、23年分。延滞金含む)について、滞納処分の執行停止をかちとりました。Yさんは花巻税務署にも同様の請願書を提出。「国税にも滞納処分の執行停止を認めさせたい」と語っています。
Yさんは平成22年10月に花巻税務署の税務調査を受けました。領収書などが不備なことを理由に推計課税され、5年分の所得税と消費税で378万円を課税されました。
しかし、Yさんの経営の状況は、長引く不況に伴う売り上げの減少やリーマンショック以降の原油・資材高騰などにより、ほとんど事業所得が出ない状況でした。平成19、20、21年の年間売上高は1000万円未満で消費税の免税業者。税務署の課税処分はYさんの経営実態とはかけ離れたものでした。
こうした課税処分に伴い、市県民税や国保税も、多額の追徴課税をされました。当時、民商会員ではありませんでした。
徴収法を活用
その後、税務署や市役所に払えるだけの税金を納めていましたが、今年7月に、滞納整理機構から財産の差し押さえ通知書が届きました。悩んだYさんは、知り合いを通じて民商の存在を知り、すぐに入会。民商役員らと相談し、直ちに滞納整理機構に「滞納処分の執行停止の請願」を提出。国税徴収法第153条や地方税法第15条などに該当し、直ちに滞納処分をやめるよう要求しました。
10月に入り、整理機構の担当者からYさんに「平成25年2月までに4万5400円を分納すれば、平成16年からの未納額262万円については滞納処分の執行を停止する」との連絡が入りました。自動車などの差し押さも解除されました。
国税も適用を
Yさんは「民商に相談してここまでこれた。国税についても請願を認めさせたい。安心して商売を続けられる展望が開けてきた」と喜んでいます。
全国商工新聞(2012年11月19日付)
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