強権的差し押さえに厳重抗議=山梨
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山梨県身延町役場内に展示されているタイヤロックの見本 |
山梨県身延町が地方税の滞納処分として生命保険や車を差し押さえた問題で、山梨・巨摩峡南民主商工会(民商)は11月10日、納税者の保護と差押禁止財産の規定を厳格に順守するように要請しました。
民商会長の一瀬正さん=飲食=を先頭に、民商役員、日本共産党の町会議員ら8人が参加。町は望月仁司町長ら5人が応対しました。
町長は「納税の公平性に努めるよう話し、無理やり徴収しろとは言ってない」と述べましたが、町職員は「町には徴収猶予申請書はない。該当する町民はいない」と回答。
参加者は「納税者の生活実態に目を向け、解決策を一緒に考えるべきだ」と追及しました。
さらに「持病で新規契約が困難な人の生命保険解約は慎重に行うべきだった」と訴えましたが、「県からの指導がある」「収支内訳書は信用できない」と不誠実な回答に参加者は怒りを爆発させました。
山梨地方税滞納整理推進機構は「まず差し押さえから実施」「少額分納は認めない」などと記した「税徴収率アップのための5つのポイント」を使って、県内の自治体を指導。
同町は7月、温泉旅館を経営する民商会員のAさん親子に対し、固定資産税約90万円の滞納処分として、生命保険や車2台分の車検証などを差し押さえ。しかも早朝に15人が身分証提示もなしに捜索。「詐欺や横領で刑事告訴もできる」などと語り、Aさんを犯罪者扱いしました。さらに、捜索の様子や公売物件を広報やHPに掲載しました。
町役場内にはタイヤロックの見本や税徴収で模範的な成果を挙げたことをたたえる機構からの表彰状を展示。宿泊客の送迎用マイクロバスまで差し押さえられた旅館もあり、納税者保護の原則から外れた行政のやり方に、町民から悲鳴が上がっていました。
民商は12月2日には県下の地方議員に呼びかけ、「真の税の公平とは」「違法な徴収現場の実態」のテーマで学習会を行う予定です。
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