第48回3.13重税反対全国統一行動 全国560カ所で11万人が参加
消費税10％中止せよ
｢消費税10％への引き上げは中止を｣｢5％に戻せ｣-。重税に苦しむ中小業者の怒りのシュプレヒコールが日本中に響き渡った｢第48回3・13重税反対全国統一行動｣。3月13日を中心に全国560カ所で11万人が参加。国が国有地をタダ同然で払い下げた森友学園問題に注目が集まる中、税金の集め方、使い方に怒りの声が上がりました。中央実行委員会は総務省や国税庁、財務省に申し入れ、国会内で各界代表者集会を開きました。
ドラム隊でアピール＝神奈川・厚木地区集会
ドラム隊とともにデモ行進をした「厚木地区集会」の参加者
ドラム隊が繰り出した200人のデモ行進では｢生活費に税金かけるな｣｢税金は所得に応じて取れ｣｢税金の無駄遣いはやめろ｣など元気なシュプレヒコールがこだましました。
民商婦人部は特大しゃもじのプラカードに｢アベ政治許さない｣｢政治を動かすのは国民の力｣｢戦争法は廃止に｣などの要求を書いてアピール。｢森友問題証人喚問 8億円値引き！ありえない！政府の隠ぺい許さない｣と書いたプラカードも登場しました。
5％に下げよ
｢駐禁取り締まりが強化され、売り上げが半減した｣というSさん＝飲食＝は夫婦で参加。｢休み返上で営業しても売り上げは回復しない。消費税が上がっても値上げできず、それでも消費税を納めなくてはならない。このままでは店を続けられない｣と悲鳴を上げています。
夫や息子と共に工務店を経営するMさん＝建築＝は昨年、予定納税（中間納付）を含め130万円ほどの消費税を納付。｢赤字でも払わなければならない消費税はキツイ｣と苦しんでいます。さらに重いのは社会保険料の負担。｢毎月30万円ほどを負担し、その分がちょうど赤字になっている。税金や社会保険料を払うために働いているようなもの｣と怒っています。
Cさん＝建築＝は今年、課税業者に。2年後から消費税を納めなければなりません。｢夫が病気から回復し、仕事に復帰できたのは良かったけれど、これから消費税の負担が大変。10％？ とんでもない、5％に戻すべきよ｣と声を上げます。
各界から決意
集会ではオープニングにジャズが演奏された後、厚木民商の大倉茂利会長が主催者あいさつ。｢重税反対統一行動は庶民を苦しめる重い税負担と生活を脅かす徴税行政に反対し、申告納税制度の発展をめざしてきた。納税者の権利を守るため、さらに統一行動を発展させよう｣と呼び掛けました。建設労働者や年金生活者、婦人など各界の代表が決意を表明。集会アピールを確認した後、厚木市街地を通って厚木税務署までデモ行進し、集団で申告書を提出しました。
共産・自由が野党共闘訴え＝長崎・佐世保集会
来るべき総選挙では、野党共闘で政権交代を-。長崎・佐世保集会は13日、佐世保市内で開催され、7団体から365人が参加。市内の立憲4野党にも呼び掛け、自由党と日本共産党から参加がありました。
佐世保民商の大坪博明会長は｢大増税阻止をはじめ安倍政権への怒りを結集するためにも、私たちの声を大きくする仲間を増やそう｣と訴え。
自由党の末次精一・長崎県第4区総支部長は、｢安倍政権は大企業優先で、都市と地方の格差を広げている。国民本位の民主的税制を求め、貧困をなくし、豊かな地方にするために一致団結し、来るべき総選挙で政権交代を実現しよう。野党も結束していく｣と表明。日本共産党の石川悟・長崎県北部地区委員長も｢本気の野党共闘で、安倍暴走政治に代わる新しい政治をつくろう｣と訴えました。
不当判決許さない＝岡山・倉敷市集会
岡山・倉敷民商は13、14の両日、倉敷、児島、玉島の3会場で｢3・13重税反対全国統一行動｣を行いました。倉敷民商弾圧事件で不当な有罪判決を受けたばかりの禰屋町子さんが事件後、初めて統一行動に参加したこともあって、合わせて310人とここ数年では最高の参加人数となりました。
集会では、迫田英典国税庁長官が、現在問題になっている｢森友学園｣に、激安で国有地を払い下げた当時の財務省理財局長であることが報告されると、会場からはどよめきが起きました。
禰屋さんは、岡山地裁から言い渡された懲役2年（執行猶予4年）の不当な有罪判決について｢私は、皆さんの気持ちを裏切るようなまねは一切していない｣と、判決に抗議し無罪を強く主張。また、申告納税権について｢憲法上、保障されているものではない｣とした判決と裁判長を厳しく批判しました。
デモ行進では、税務署まで｢消費税増税反対｣、｢生活費に税金をかけるな｣｢森友疑惑の幕引きを許さない｣などと元気よくシュプレヒコール。幼稚園の前では、デモ隊の声に交じってかわいい園児が｢消費税増税反対｣と声を上げていました。
集会では禰屋事務局員の不当判決に抗議する特別決議が満場一致で採択されました。
全国商工新聞（2017年3月27日付） |
