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  トップページ > 税金のページ > 全国商工新聞 第3016号 3月26日付
 
税金
 

3・13重税反対全国統一行動 全国544ヵ所14万人

 13日を中心に全国544カ所で開かれた「第43回3・13重税反対全国統一行動」。野田内閣が「消費税を14年4月に8%、15年10月に10%」へと引き上げる増税法案の閣議決定の手続きに入るという緊迫した情勢の下、各地の民主商工会(民商)会員など14万人が参加しました。昨年の集会やデモの最中に東日本大震災が起こった被災地では、1年ぶりに再会した参加者同士が無事を喜び合い、この間の苦労を分かち合いました。

「社会保障と税の一体改革」反対、TPP参加阻止!=中央各界代表者集会

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「消費税増税を何としても阻止しよう」とあいさつする全商連の国分会長

 野田民主党内閣が国民の声を無視して消費税増税に突き進む中、3・13重税反対全国統一行動が各地で取り組まれ、中小業者や労働者らは「消費税増税は絶対反対」「仕事や雇用を増やせ」と集会やデモ行進を繰り広げました。東京では中央各界代表者集会を開き、総務省や財務省、国税庁に申し入れました。

 中央各界代表者集会(3・13重税反対全国統一行動中央実行委員会主催)が衆院議員会館で開かれ、17団体から62人が参加。「社会保障と税の一体改革」反対やTPP参加阻止の声と共同を諸階層に広げることをあらためて確認しました。
 全国商工団体連合会(全商連)の国分稔会長があいさつし、「野田内閣は消費税増税に固執しているが、国民各層から増税反対の共同の声が寄せられるなど、運動は広がっている。草の根からの運動で阻止しよう」と呼びかけました。

財源はある
 日本共産党の佐々木憲昭衆院議員が国会情勢を報告。「内閣は23日にも増税法案を閣議決定する方針を固めた。また2016年以降に10%以上の消費増税も可能にする条項を盛り込もうとしている。一方、与党の国民新党や民主党の中でも反対意見が根強く、国会は緊迫した状況だ。世論で押し返すことが重要」と述べました。
 日野秀逸東北大学名誉教授が「社会保障と税の一体改革批判 消費税を上げなくても財源はある」と題して記念講演。「一体改革は国と大企業の社会保障負担を軽減し、増税や社会保障の改悪によって負担を国民に押し付けるもの」と強調。また日本の対外純資産は世界一であり、金貸し大国であることを述べ、政府のバランスシート(07年)では正味資産が64兆円あり、黒字である点を示しつつ、「財政再建のためには、大企業や高額所得者への減税を改めることが必要」と指摘しました。

対話広がり
 各団体からは、「非正規やパートはフルタイムで働いても生活ができないような低賃金で雇用されている。消費税が10%になれば生活ができない。増税反対について、大手小売店などが加盟するチェーンストア協会と懇談し、『安易な増税は困る。増税は穴の開いたバケツに水を入れるようなもの』と対話になった」(生協労連)、「原発事故による東電の損害賠償金に課税する問題で、ある会員は数倍の所得税を払うことになった。損害賠償金でも仮払いであると証明できれば非課税扱いになるので、それを力に運動を進めたい」(農民連)、「消費税をまけてくれと言われれば断れず、売り上げも下がり続けて大変な思いをしている。暮らしと営業を破壊する増税は絶対に反対。土建では地域各界連絡会と共闘し、毎月約40カ所で増税反対の宣伝を行っている」(東京土建)「生活保護受給者が208万人を超えるなど、貧困がまん延する中での増税は景気をさらに失速させる。年金の支給額も3年間で2・5%引き下げ、830万人の国民年金受給者の平均支給月額は4万9000円で、とても暮らせない。消費税増税との一体改悪に反対し、今後も運動を展開する」(年金者組合)などの報告がありました。

「納税緩和措置を周知」「違法な徴収は考慮」=総務省交渉

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総務省交渉で、納税者の立場に立った行政の対応を求めた中央実行委員会の代表者

 代表者集会に先立ち、実行委員会では総務省、国税庁と交渉しました。
 総務省では、納税者の生活実態を踏まえて市県民税の納付相談に応じること、納税緩和措置について自治体が適切に対応するよう周知徹底することなど4項目を要請。省側は、「税源移譲後に住民税の滞納が急増し危機感を持っている」との認識を示し、「自治体職員が集まる会議などで納税緩和措置の制度を周知している」と述べました。また、各地で餓死者が出ている事態に関連して「自治体の税務部門と福祉部門が連携し、住民の生活実態を把握するなどの取り組みを始めている」と回答。
 徴収や滞納整理については「地方自治体が管轄しているものだが、違法な取り扱いがあれば考慮する必要がある」との見解を示しました。
 財産調査については、「納税者から実情を聞き取り、『必要な場合』に調査を行う」としました。

税務調査の事前通知「例外規定の具体例」通達へ=国税庁交渉
 国税庁では、税務調査の事前通知を徹底することや聴取書を納税者に押し付けないこと、帳簿・書類の提出について罰則を持って強権的な調査を行わないことなど9項目を要請。税務署が作成した「聴取書」に押印させられ、5年、7年の修正申告を強要されている問題では、庁側はあくまで「国税庁の指示ではない」と回答しました。参加者が「納税者本人の情報なのに、聴取書のコピーを本人に渡さないのは社会常識に照らしてもおかしいのではないか」と迫ると、庁側は明確な回答ができず、検討しますと回答しました。また、「国税通則法にある税務調査の事前通知の例外規定については、具体例などを通達で出す」と述べました。
 国税庁交渉には日本共産党の佐々木憲昭衆院議員が同席しました。
 財務省には消費税増税を行わないことや大企業の法人税を97年の水準に戻すこと、東電賠償金を非課税にすることなど7項目を求めました。

津波被災者に鎮魂 消費増税に怒り=宮城・気仙沼

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津波によるがれきの残る中をデモ行進する3・13気仙沼地区集会の参加者
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がれきは片付いたものの復興には程遠い気仙沼市内(2012.3.14)

 民主党が消費税法案の閣議決定に向け、党内の議論をスタートさせた14日、被災地の宮城県気仙沼市では気仙沼地区集会が開かれ、130人が参加。津波の犠牲者を悼み、全員で1分間の黙とうをささげました。
 実行委員長の菅原均さん(気仙沼本吉民商会長)は「無我夢中の1年間だった。被災した民商会員115人のうち、8割が商売再開にこぎ着けた。グループ補助事業でも40人余りが認定をかちとった。民主党が狙う消費税増税は被災地の復興どころか生業を奪うもの。絶対に許せない。署名を広げ、なんとしても阻止しよう」と主催者を代表してあいさつ。民商の千葉哲美事務局長が「全国の仲間からの支援を受け、民商ならではの目配り、気配り、心配りで連絡を取り合い、何とかここまでやってきた。野田首相は被災者の願いに背を向け、消費税・TPP・普天間しか頭にない。集まって話し合い、消費税反対の署名の強化と、商工新聞を拡大し5月の全商連総会を迎えよう」と行動を提起。合わせて「一日も早く先の見える生活を実現しよう」との市民へのアピールと税務行政の改善を求める集会決議を提案。拍手で採択されました。
 集会後は、津波被害の爪あとが残る中を元気を出してシュプレヒコールしながら、気仙沼税務署までデモ行進しました。

庶民大増税反対=静岡・浜松
 静岡・浜松集会には250人を越える仲間が集まりました。
 集会では、東日本大震災の被災者に1分間の黙とうをささげました。
 浜松民商の金子雅則会長があいさつ。日本の税制と消費税について「日本の財政が危険だといって消費税を上げても、無駄遣いを減らさなければまたすぐに債務超過に陥るだけ」と訴えました。
 増税が議論されていることもあり、デモ行進は昨年よりも力が入りました。
 「庶民大増税反対!」「生活費に税金をかけるな!」「暮らしと福祉を守れ!」などと力強くアピールしました。
 参加者は「消費税が10%になったら商売をやめなければならない。やめれば食べてもいけない。絶対に増税を許してはいけない」と話していました。

納税者の権利守れ=兵庫・灘
 兵庫・灘区民集会には400人が参加しました。「消費税増税反対!」「納税者の権利を守れ!」「自主申告を尊重せよ!」のシュプレヒコールが、冷え込んだ灘区の空に響きました。
 集会では、灘民商の細谷薫会長が主催者あいさつ。「野田内閣は消費税増税を強行しようとしている。被災地の復興にも逆行する増税を何としても阻止しよう」と呼びかけました。
 兵庫県連の土谷洋男副会長が来賓あいさつし、「国税通則法が改悪されたが、税務署の横暴を許さず、納税者の権利を守ろう」と述べました。
 青年部長の音頭でガンバロウを三唱し、税務署前まで元気よくデモ行進しました。

「収支内訳書」強要するな=東京・世田谷
 重税反対世田谷実行委員会は区内2会場で集会を開き、320人の業者や労働者、区民が参加しました。
 世田谷税務署への集団申告では、署員が白色申告で収支内訳書を添付していない会員の申告を受理しない態度を取りました。
 その場に居合わせた総務課長に「申告書を受理しないのはおかしい」と抗議し、受理させました。
 その後の税務署交渉では「収支内訳書を添付しなくても申告は受理する」「収支内訳書を提出しなくても納税者に不利益な扱いはしない」ことを約束させました。
 総務課長は「徴収部門の対応などで、高圧的な態度を取る署員がいるという指摘は受け止める」と回答しました。

全国商工新聞(2012年3月26日付)
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