【3・13重税反対全国統一行動】国税通則法改悪許すな=中央各界代表者集会
第42回3・13重税反対全国統一行動中央実行委員会(3・13中実委)は11日、衆院第2議員会館で「中央各界代表者集会」を開き、27団体83人が参加しました。消費税増税や国税通則法改悪、TPP参加に反対し、雇用と仕事を増やして安心できる国民生活を求めることを確認しました。
主催者あいさつをする国分稔会長。消費税増税、国税通則法改悪、TPP参加反対の共同をよびかけました
全国商工団体連合会(全商連)の国分稔会長が主催者あいさつ。「白色申告者への記帳義務化や事前通知なしの調査、勝手な帳簿持ち出しを法制化する国税通則法の改悪は消費税増税の地ならし。日弁連などが削除や修正を求める緊急意見書を提出するなど改悪反対の世論は広がっている。共同の運動をさらに広げよう」と呼びかけました。
日本共産党の佐々木憲昭衆院議員が国税通則法改悪案阻止の展望を切り開いてきた国会情勢を報告。「国民の立場からの『税制改革』めざして」をテーマに経済研究者の友寄英隆さんが記念講演しました。菅政権が社会保障と税制を一体的に改悪しようしていること、法人税引き下げやTPP参加は「国際競争力」を口実にしたもので、攻撃の根は一つと指摘。「中東の変化に見られるように世界は新しい秩序を求めている。孤立したアメリカにしがみついているのは日本だけ。草の根からの底力が試されている」と述べました。
各団体からは「確定申告の相談から農民の厳しさが浮き彫りになっている。消費税増税は農業を破壊し、通則法改悪は納税者の権利を切り崩すもの。TPPは農民だけの問題ではない。反対の世論を広げたい」(農民連)、「建設不況の中で売り上げが30年前まで落ち込んでいる。1カ月の仕事が15日に満たない仲間もいる。下請け単価が下げられる中で、地方自治体の税金の使い方が問われている」(東京土建)、「社会保障の改悪で医療が受けられない事態が広がっている。調査で4割の医療機関が受診中断を経験していることが明らかになった。消費税増税は国民を医療から遠ざけるもの。ともにたたかう」(保団連)などの報告がありました。
また、関本秀治税理士は国税通則法「改正」案に含まれる「提出された物件の留め置き」などの改悪点を批判しました。
実態無視の徴収やめよ=総務省、財務省、国税庁交渉
3・13中実委は集会に先立ち、総務省と財務省、国税庁と交渉しました。
総務省では、(1)地方税徴収に関わって、滞納者の実態を踏まえた納税相談に応じるように地方自治体に助言すること(2)生活実態を無視した差し押さえは行わないこと(3)国民健康保険料(税)の算定方式を旧ただし書きにしたときの低所得者への負担軽減を恒常的に設けること-などを要望。
「納税が前提であるが、生活に窮するなどの場合は減免や徴収猶予、差し押さえの解除を行っている」と回答しました。また、預金の差し押さえにあたっては「生存権が底辺にある。生活できないなどの事情があれば配慮が必要」と答えました。
財務省では財務政務官秘書官が対応。(1)国税通則法の「改正」は行わないこと(2)義務規定は削除し、納税者権利保護の立場で納税者権利憲章を制定すること(3)消費税増税に頼らない財政再建に取り組むこと-などを要望。全商連の国分稔会長は「納税者権利憲章は国会で十分審議し、内容が国民・中小業者に分かるようにしてほしい」と訴えました。
国税庁では税務調査は納税者の理解と協力を得て行うように徹底することなどを求めました。「調査は与えられた権限の中で適正に行っている。事前通知は原則的には行っているが、調査に支障がある場合は通知しないこともある」と答えました。
参加者は「全商連の調査では7割以上が事前通知をしない」「納税者と会う前に反面調査をして税額を示す事例がある」と調査の実態を示しました。
全国商工新聞(2011年3月28日付)
|