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  トップページ > 活動のページ > 全国商工新聞 第3141号10月27日付
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活動 全中連
 

中小業者支援の拡充を=全中連が7省庁などと交渉

 全国中小業者団体連絡会(全中連)は9日、消費税率10%への引き上げ中止、外形標準課税反対、小規模企業振興基本法(小規模基本法)に基づく地域循環型の施策の実施など63項目の要求を掲げ、7省庁と日本年金機構と交渉しました。概算要求に中小業者の要望を反映させるため、毎年行われているもので、全国から110人が参加。交渉に先立つ集会では、住江憲勇代表幹事(全国保険医団体連合会会長)が「消費税10%への引き上げを決定させない国民的な大運動を」と呼びかけました。

外形課税中止すべき=経産省中企庁

 消費税の10%引き上げ中止・外形標準課税拡大反対とともに、小規模基本法の基本計画策定に当たって、小規模企業者の意見を反映させる審議会の設置や自治体への必要な予算措置などを要請しました。
 担当者は10%への消費税率引き上げについて「自民、民主、公明の3党合意で決定されたもの」とし、外形標準課税の拡大については「法人税減税の代替財源として議論されているが、中小企業団体が断固反対している。政府にも伝えたい」と答えました。
 審議会の設置については「基本計画を見直していく際に、要望については検討したい」、自治体向け予算については「今のところない」と回答。参加者は「今の話では仏をつくって魂入れずではないか」と厳しく批判しました。
 中小企業を支援する「新ものづくり補助金」について「今後の継続は明言できない」との回答に、参加者は「安倍首相は地方創生というが、地場産業を後押しすべきではないか」と継続を強く要望しました。
 北海道電力の電力料金値上げについて、北海道の参加者は自治体で相次いで反対決議が上がり、道内8割以上の企業が「影響がある」と答えていることも紹介し、値上げを認めないよう要望。また、京都の参加者は豪雨被害を受けた福知山水害についてもグループ補助の実施を強く求めました。

社会保険強制するな=国交省

 「住宅リフォーム事業者団体登録制度」(9月1日施行)により、登録していない地域の中小業者が排除されないことや、社会保険の加入を建設業許可の条件として強制しないことなどを求めました。
 青森の参加者は、リフォームに関わって100社以上の団体が登録制度の要件となっていることに触れ「大都市以外では登録することがほぼ不可能に近い。5人以下の企業を対象にしている小規模基本法の方針に反する」と追及。省側は「団体登録制度は全国にまたがる団体を対象としているので、地域の小規模事業者を排除するものではない」「自治体単位の登録制度も県の担当者に提案している」と回答しました。
 建設業許可について、省側は「社会保険加入の指導はするが、建設業許可の要件にはしない」とあらためて強調しました。
 参加者から「社会保険料が高過ぎて払えない。負担軽減へ国は補助すべき」「社会保険料の負担が増え商売を続けていけない」と、実態を告発。省側は「社会保険未加入対策推進協議会に大変な実態をどんどん上げてほしい」「声を上げれば、対応する」と答えました。

生存権守る徴収へ=厚労省

 国民健康保険(国保)料(税)や社会保険料の滞納徴収に際し、納税猶予等の相談に誠実に応じ、生存権的財産に準じる売掛金等の差し押さえをやめよと要請しました。
 担当者は「生活を著しく圧迫する恐れがある場合には滞納処分の執行停止など個々の実情を把握した上で適切に対応する」(国保課)、「納税猶予の申請があれば基本的には受け付ける」(年金局事業管理課)、「納付猶予等の相談に丁寧に応じ、差し押さえ禁止財産の入った預金は法令を順守し適正に執行する」(日本年金機構)と回答しました。
 兵庫県尼崎市から参加した女性は「3年半の間、年金事務所に納付相談したが、納付猶予があるとは教えてくれなかった。“なしのつぶての滞納者”と言われ、従業員の給与も含む売掛金347万円を突然差し押さえられた。給与分の差し押さえを解除してください」と涙ながらに訴えました。日本年金機構の担当者は「年金事務所に確認する」と約束しました。
 神戸の代表は、「神戸市は18歳未満の短期保険証の更新時に1カ月留め置き、わざわざ無保険期間を生んでいる。これは『速やかに手元に届けるよう努める』とした国保課長の通達に反する実態ではないか」と迫りました。国保課の担当者は「神戸市の実態は初めて知った。個人的には1カ月は長いと思う。市町村で適切に対応を図るようにしたい」と述べました。

不当な調査やめよ=国税庁

 税務調査の際、法定化された事前通知の徹底と文書通知を求めるとともに、行政指導で呼び出して調査をしている問題などを取り上げました。
 事前通知の問題では「税務署長等が行う」(国税通則法74条9)と定めており、「署員は通知できない」と追及。庁側は「実務を補助する署員の通知は問題ない」と強弁しました。
 参加者は「5件の調査のうち4件が事前通知がなかった」(兵庫)、「フルネームを名乗らずに電話で調査が通知されるなど手続きに違反している。文書で通知すべき」(岐阜)と訴えました。庁側は「事前通知をしなくてもいい場合がある」と回答。「なぜ、自分が事前通知の『例外』になったのかを説明すべき」と追及しました。
 さらに「行政指導文書の中に調査をするとの文言があり、来署の日時を決め、帳簿などの提出を求めている」問題については、「来署するまでは行政指導で、来署すれば調査に切り替える。来署での調査は実施調査ではないので、事前通知はしない」と詭弁を使い、参加者は「行政指導なのに納税者に不利益を与えるのは違法」と強く抗議しました。
 兵庫の参加者は「レジの釣り銭のほか、財布まで見られて1円単位で調べられた」と人権無視の税務調査の実態を告発しました。
 納税緩和措置の適用について東京の参加者は「6月に500万円、7月から100万円を納めたが、国税局は差し押さえるという。売掛金を差し押さえられたら商売は続けられない」と訴え「納付相談には適切に対応する」「納税者の負担を軽減するため申請に基づく換価の猶予を開始する」などと回答しました。

滞納整理「現場に入り指摘する」=総務省

 鳥取県児童手当の差し押さえ訴訟の判決を受け、地方自治体で滞納整理マニュアル是正が進んでいることから、総務省としてガイドラインを作成するよう要請しました。
 省側は「鳥取訴訟の判決は重く受け止めている」とした上で、「児童手当の狙い撃ちはいけない、差し押さえしてはいけないことを、全国の税務担当者に周知徹底する」と回答しました。
 また、「滞納者の個別・具体的な実情を十分に把握した上で、適切な執行に努める」とした自治体への事務連絡(1月24日付)の周知を約束。さらに「ある種の過激な差し押さえが全くないとは言わない。自治体に入り現場で把握できたことは指摘していく」と、一歩踏み込んだ対応を明かしました。
 神奈川の参加者からは「事前連絡なしの差し押さえで、生活費もなくなり電気・水道料金も払えなくなった」など切実な実態が出され、自治体への指導を求める請願が提出されました。
 激甚災害への地方税の納税緩和措置の適用について、今年度末の検討を約束しました。

資金繰り支援万全に=金融庁

 「原材料の高騰や消費税増税による消費落ち込みに備え、小規模事業者の資金繰りへの支援に万全を期すること」など5項目を要請しました。
 庁側は「金融円滑化法終了後も、貸し付け条件の変更などに努め、真に経営改善につながる支援をするよう監督方針を明確にし、金融機関に求めている」「円安やエネルギー、原材料の高騰で資金繰りが悪化する企業があると思うので、状況に応じてきめ細かく対応するよう要請している」と回答しました。
 経営者保証に関するガイドラインについて、参加者が「息子への事業継承を念頭に借り入れをしたが、業況悪化で商売をやめた。工場と機械も売ったが残債が残り、金融機関に迫られて自宅を売った」と実態を告発。「ガイドラインが出ている以上、金融機関の処理は間違っているのでは」と訴えました。
 金融庁も「ガイドラインに即した扱いになっていない。ガイドラインが実施されたのは2月だが、それ以前の保証債務についても当然対象になる。具体的にお困りのケースは金融庁に申し出てほしい。金融機関に落ち度がある場合、監督官庁として指導する」と答えました。

消費税増税中止しろ=財務省

 (1)消費税率10%への引き上げを中止し、5%に戻す(2)外形標準課税の拡大や軽減税率廃止で中小企業への課税強化はしない(3)大企業への法人税を累進課税とし、当面最高税率を消費税導入前の42%に戻す(4)消費税仕入控除否認は、「仕入れのない売り上げはない」ので廃止すること-など6項目を要請しました。
 応対した担当者は「消費税は社会保障と財政再建に充てられるもの。国会で増税法は通っており、経済情勢など勘案して年末には決めたい」と回答しました。
 参加者からは「財政が大変と言いながら法人税を引き下げ、その財源を中小企業へ求めるのは納得できない」「消費税を再増税すれば、景気も財政も破綻する」と財務省の“言い分”を厳しく批判。また、「大企業の内部留保を活用し賃金や下請け工賃を上げるべき。そうなれば消費も上向き、納税も増える。この道こそ景気回復と財政再建につながる」とし、増税中止を強く迫りました。
 財務省は、中小企業への配慮を口にしながらも、「投資を成長産業に向けるために法人税減税する。財源は外形標準課税や軽減税率廃止を検討している」と回答。中小業者の願いに背を向けました。

全国商工新聞(2014年10月27日付)
   

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