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  トップページ > 活動のページ > 全中連 > 全国商工新聞 第3058号 2月11日付
 
活動 全中連
 

増税・改憲ストップ!内需振興でデフレ脱却を

 「消費増税ストップ」「内需振興でデフレ脱出・景気回復を」―。全国中小業者団体連絡会(全中連)は1月29日、東京・日比谷公会堂で決起大会を開催しました。北海道から沖縄まで前年を上回る1850人が参加、「消費税増税は許さない」「改憲連合にストップを」「今こそ立ち上がろう」の決意に包まれました。安倍政権発足後、本格的論戦が行われる国会開会直後の全国集会とあって、テレビも取材。「アベノミクス抗議集会」と報道するなど大きな注目を集めました。大会に先立ち、8省庁、国会議員への要請行動も展開。消費税増税反対などを求める署名は、この日までに約29万人分が寄せられました。

中小業者1850人が決起 全中連大会

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消費税増税中止やデフレ脱却・景気回復を求める決意を示した決起大会

集まれば大きな力
 「消費税増税を中止せよ 富裕層・大企業に増税を」「金融円滑化法を恒久化し中小業者に仕事・資金をまわせ」―。大会のスローガンが掲げられた大会会場は、消費増税反対のゼッケンをつけたり、消費税退治の鬼の面をつけた参加者などであふれました。
 「消費税増税反対の一念でこの大会にきた」と話すのは愛媛県今治市のUさん。
 夫の仕事は造船の下請け。親会社からは賃金の引き下げ要求が続いています。「これに消費税が増税になればもう自滅するしかない。一人の力は小さいけれど、みんなが集まれば大きな力になると考えて駆け付けました」と力を込めました。
 「怒りをぶつけたい」と大会に参加したのは、千葉県鎌ケ谷市でクリーニング店を営むTさん。今でも消費税はもらわず、ワイシャツ1枚250円で“染み抜きはサービス”を貫いています。「そうしないと生き残れない。声も上げていかないと政治に届かないから」と決意を語りました。
 主催者あいさつした国分稔・全中連代表幹事は、「消費税増税を強行すれば日本経済の底が抜ける。内需振興以外に景気回復の道はない」と強調。安倍内閣の右傾化の動きにも警告を発し、「大きく運動を広げ、増税・改憲連合の動きにストップをかけよう」と呼びかけました。
 国会情勢報告に立った日本共産党の市田忠義書記局長は、安倍政権の「緊急経済対策」に触れ「この政策には国民の所得をいかに増やすかという姿勢はひとかけらもない」と厳しく批判。デフレ不況脱却には「国民の懐を温め、内需を活発にすることが必要」と強調し「そのためにも消費増税の中止を」と訴え、会場も「そうだ」の声で応えました。

代表らが決意表明

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国会へデモ行進する全中連の代表幹部ら

 全国から参加した各地の代表が決意表明。
 消費税増税反対の宣伝を続けている京都の代表は「安倍首相は“頑張る人が報われる世の中に”というが、それなら全中連の言うことを聞きなさい」と発言し、拍手喝采。高台移転が進まない被災地・岩手の代表は、「消費税が上がるころでないと家が建てられない。3000万円の家をつくったら、10%の300万円が消費税。これは国からもらえる支援金と同じ額だ。これで復興できると思っているのか」と怒りをぶつけました。
 大会は「消費税増税を中止することが何よりの景気対策」とした決議を採択。参加者は「怒」と書かれたハリボテや消費税増税反対の横断幕などを掲げ、国会に向け、デモ行進。「消費税増税を許さないぞ」「原発再稼働反対」「仕事を回せ」「憲法9条を守ろう」と声を上げました。

元気出た頑張ろう

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プラカードを掲げてアピールする大会参加者

 毎年、全中連の大会に参加している埼玉県草加市のIさん=印刷=は「不景気で3年前に比べ売り上げは3分の1。大変だよ。でもここにくれば元気になるし、頑張ろうという気持ちも出てくる。消費税を上げるなという声を政治に届けないとね」と前を向きました。

全中連決起大会 決議
 消費税増税は、景気を悪化させ、中小業者の営業と暮らしを破壊します。日本の経済主権を売り渡すTPPへの参加は、農業ばかりでなく、医療・食品、共済制度など暮らしと経済のあらゆる分野でアメリカ言いなりに国のかたちそのものを変えるものであることが分かり、ますます怒りが高まっています。まして、改憲・国防軍などとんでもありません。
 東日本大震災から1年10カ月がたちましたが、東京電力原発事故の「収束」のめどはたっていません。被災地の復興は遅々として進んでいません。8割の国民が「即時原発ゼロ」を求めています。今こそ、すべての原発を停止し、再生可能エネルギー中心に日本経済の未来を開く政治決断が求められています。復興予算の流用をやめさせ、被災地の生活と営業再建のために予算を拡充すべきです。
 各地で繰り返される米兵の犯罪の根絶、沖縄・普天間基地撤去、オスプレイの配備撤回は待ったなしです。
 国民・中小業者が最も切実に求めるのは景気回復です。地域経済と雇用を守る中小業者への支援を強め、地域経済の振興をはかるとともに、安心できる社会保障の確立に努める必要があります。
 そのために、私たちは以下のことを政府に強く要求します。
 ○消費税増税を中止せよ! 富裕層・大企業に増税を!
 ○TPP反対! 内部留保を還元させ雇用と経済を守れ
 ○被災者支援の充実を! 原発被害の完全賠償と非課税実現を!
 ○即時原発ゼロを。再生エネルギー普及に力を尽くせ!
 ○金融円滑化法を恒久化し中小業者に仕事・資金をまわせ!
 ○社会保障解体を許さず年金・医療・介護・生活保護拡充を!
 ○社会保険料・利用料・窓口負担を引き下げよ!
 ○改憲策動はやめよ! 普天間基地無条件撤去を!

 以上、決議します。
 2013年1月29日
 消費税増税中止、原発ゼロ、TPP不参加の政治決断を!

内需振興でデフレ脱出・景気回復を求める1・29全国中小業者決起大会

中小業者の諸要求掲げ8省庁と交渉
 全国中小業者団体連絡会(全中連)は全国中小業者決起大会に先立ち、経済産業省・中小企業庁や国税庁、金融庁、国土交通省など8省庁と交渉しました。中小業者の厳しい実態を訴えるとともに消費税増税の中止や被災地支援の拡充、不当な税務調査などの税務行政の改善、金融円滑化法の再々延長などを求めました。

経産省・中企庁
電気料金値上げ反対「厳格に審査する」

 経済産業省・中小企業庁交渉では、(1)3月末に期限切れを迎える金融円滑化法の延長(2)福島原発事故に伴う完全賠償(3)関西電力・九州電力による電気料金値上げ申請を認めないことなど6項目の要請を行いました。
 経産省は、円滑化法の延長について「延長の是非にかかわらず、中小企業をサポートする」とし、新たに新設した経営支援認定機関の制度を活用し、経営改善計画などの支援をしたいと回答しました。被災地支援の軸となっているグループ補助については「来年度も継続する」と言明しました。
 その上で「岩手、宮城、福島を重点にし、商業関係分野についても拡充したい」と答えました。
 消費税増税を転嫁できない問題については、転嫁対策調査官などを設置、転嫁の実態調査を行い「立場の弱い中小企業にしわ寄せがないようにしたい」と答えました。
 また、電力料金値上げ申請については専門委員会を通じ厳格に審査すると、回答しました。
 電力料金の値上げによって40万円以上の負担増になると話す金属加工業者は「電気料金の値上げによって、値上げが認められず、親業者から単価の切り下げを迫られる」とし、天下りなどによって多額の報酬をもらっている電力会社はもっと身を切るべきだと訴えました。
 原発の損害賠償に取り組む埼玉県の観光バス業者は、「書類を出しても賠償しない」東電のずさんな対応を相次いで批判。東電への指導強化をあらためて求めました。

国税庁
強権的な徴収やめろ「一律差し押さえしない」

 国税庁では、不当な税務調査や人権を無視した強権的な徴収の実態を告発し、税務行政の是正を求めました。
 「改正」国税通則法の施行に伴い、国税庁側は税務運営方針を徹底し、「税務調査は納税者の理解と協力を得て行う」と回答しました。
 帳簿書類などの提示・提出について「罰則規定をもって強権的に行うことはない。留め置きは納税者の理解と協力を得て行う」と答えました。
 参加者は「これまで誠実に分納してきたのに、担当者が代わった途端に売掛金を差し押さえてきた」「毎月10万〜20万円の分納中に、税務署が1年以内に一括返済をしないと店の保証金を差し押さえると言ってきている」などの実態を告発しました。併せて「納税の猶予」など緩和措置を徹底するよう求めました。
 国税庁は「(滞納者の)個々の実情を把握し、差し押さえは一律、機械的に行わない。法令の要件に合致すれば執行停止を含め納税緩和措置を適用する」との立場を示しました。
 財務省にも消費税増税の中止や中小企業予算を大幅に増額することなどの要望書を提出しました。

金融庁
条件変更スムーズに「監督指針に明記する」

 金融庁では、3月に期限が切れる金融円滑化法の再々延長、条件変更がスムーズに進むよう金融機関への指導などを求めました。
 東京の印刷業者が「売り上げは減り続け、金利のみ払っているがそれすら難しくなっている。元金も払うとなると3カ月で倒産してしまう。経営改善のために増やしてきた取引先も倒産してしまい、中小業者は冬の時代。円滑化法の精神は変わらないのならば指導文書を金融機関に出してほしい」と訴えました。
 庁側は「円滑化法の延長はしない方針」と前置きしつつ、「円滑な資金供給、条件変更に努めることを検査マニュアル、監督指針に明記する方向で検討している」と回答しました。
 条件変更をしている中小企業に新規融資を行わない事例に対しては「金融円滑化法第三条では信用供与があり、これは新規融資も含めた考え方。円滑化法を利用していることだけを理由に断わっているとしたら、説明が不十分で受け入れられるものではない」との見解を示しました。
 また、個別事案の相談については「相談窓口を全国の財務局、財務事務所に設ける。中身はまだ検討中だがなるべく早く運営していきたい」と述べました。

国交省
社会保険加入 現場から締め出すな「実態調査が必要」と言及

 国土交通省では公共工事設計労務単価の引き上げとともに、建設業許可業者に対して期限を切った社会保険加入を強制しないことなどを求めました。
建設業許可について省側は「社会保険加入を条件にしていない」とあらためて回答。しかし、参加者は「建設業許可を新規に申請したが社会保険加入が条件と言われた」(宮崎)など、国の方針が徹底されていない実態を明らかにしました。
 また、雇用保険をめぐって「加入していなければ、親会社から現場に来なくてもいいと言われた」(北海道)、「元請けから加入を証明するための書類提出を求められる」「住所が定まっていない職人が『加入できない』と辞めていき、技術を持った働き手がいなくなっている」(福岡)などの問題が浮き彫りになりました。
 11月から社会保険未加入の建設業者に対して指導に従わない場合、営業停止処分ができるように施行規則を改悪したことへの意見も噴出。「下請け単価はたたかれ、福利厚生費は含まれていない。社会保険に加入できるように末端の下請けまで福利厚生費が払われるような仕組みづくりを先行させるべき」「実態を把握せずに強制加入を押し付けるのはおかしい」と同省の姿勢をただしました。
 省側は「社会保険加入義務のない個人事業者に加入を押し付けるのは間違っている。実態調査の必要性を感じている」と答えました。

厚労省と総務省
保険料・税の徴収「相談者の実態考慮」

 厚生労働省では日本年金機構の担当者を出席させ、各地の年金事務所が滞納している社会保険料を強権的に徴収している問題をただしました。分納の相談者に対して年金事務所が、社会保険料の納付猶予制度を知らせていないことを明らかにし、申請書の速やかな交付を要請。担当者は「納付猶予申請書を各年金事務所に用意し、必要な相談に応じることにしている」と明確に回答しました。
 総務省では、納税者の相談について地方自治体に指導、助言すること、地方税法で定めている「納税緩和措置」について適切な対応を周知徹底することなどを要請。岩手県一関市ではカメラスタジオを経営する参加者が納付計画、納付誓約書を交わしたにもかかわらず、土地が差し押さえられた問題について省側は「地方税法は規定で10日以上たてば義務規定として差し押さえなければならない」と述べつつも「実際に差し押さえるかは、納税交渉を通じて生活実態を把握して行う」と見解を示しました。また、一関市市民課と同様の案件の出された東京都主税局に、直接連絡を入れることを約束しました。

環境省
がれきの撤去など引き続き支援

 環境省ではがれき撤去など災害廃棄物処理事業の次年度以降の継続を要望。省側は「現地に職員を派遣し被災地の現状把握に努めている。25年度以降は予算措置を取らないとは決めていない。引き続き支援をしたい」と答弁しました。

全中連決起大会 国会議員挨拶

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 日本共産党中央委員会書記局長の市田忠義参議院議員があいさつをしました。
 市田議員は、安倍内閣の緊急経済対策には国民所得を増やすという視点がまったく無く、格差と貧困を広げた小泉構造「改革」の焼き直しに過ぎないと明らかにしました。国民の懐を温め内需を活性化するには、消費税増税をやめることが重要であり、中小業者を守り労働者の賃金を上げることがデフレ脱却への道と強調しました。
 また、消費税増税や原発再稼働、TPP参加推進など悪政を許さないたたかいがさまざまな分野で広がっていると指摘。安倍内閣が国防軍の創設や憲法9条の改正など憲法改悪を狙っている問題について、今こそ9条を守り、憲法を暮らしに生かす運動の意義を強調。アメリカ追随・大企業優先の古い自民党型政治を変革し、中小業者の暮らしと営業、平和を守る運動を広げようと呼びかけました。
 日本共産党の塩川鉄也衆議院議員は消費税増税を許さないと連帯あいさつをしました。

全国商工新聞(2013年2月11日付)
   
       
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