全商連トップページ
中小施策 税金 国保・年金 金融 経営 業種 地域 平和・民主 教育・文化 県連・民商 検索
 全商連とは活動方針・決議署名宣伝資料調査婦人部青年部共済会商工研究所発行案内入会申込リンク
  トップページ > 活動のページ > 全中連 > 全国商工新聞 第2819号 2月25日付
活動 全中連
 
7省庁などと交渉・懇談
 「2・8全国中小業者決起大会」では7省庁と全国信用保証協会、国保中央会(7日)と懇談・交渉。全国の中小業者が切実な要求を持ち寄って、中小業者施策や社会保障の改善を迫り、積極的な回答を引き出しました。また、地元国会議員への要請も行いました。

PHOTO
国税庁(右)に福岡国税局発行の「申告と調査」パンフを示し、内容の問題点や責任を追及する交渉団
国税庁
「生存権的財産守られる」と明言
税務運営方針の徹底迫る

 国税庁交渉では、総務課調整室の向川茂弘課長補佐らが応対。滞納税金での差し押さえについて「生存権、財産権もあり、原則として(生存権的財産は)守られなくてはならないと考える」と明言。「納税者の誠意があれば『換価の猶予』、財産がなければ『滞納処分の執行停止』もある」と回答しました。
  福岡県の代表などの抗議により作製と配布中止が決まった福岡国税局の「申告と調査」パンフについては「納税者の無用の誤解を生じさせた」として「今後使用しないようにすべての国税局に指示した」ことを明らかにしました。
  「税務運営方針をあらゆる機会を通じて周知を図っている」との回答に対し、参加者が方針を無視した実態を告発すると、同課長補佐は実情を管轄課に伝えること、研修内容を提示することを約束しました。
  消費税は「預かり金」ではないと回答しつつ、「預かり金的性格」との表現を使用している問題をただし、消費税法に基づく表現に是正を求めたことには、「管轄課と連絡を取り、誠実に対応します」と回答しました。

総務省
強権的な徴収に抗議
住民税で是正求める

 総務省では、収入が激減するなど07年の課税所得がゼロになった人への住民税の還付措置について「(対象者に)個別通知するよう昨年12月に全自治体に通知を出した。扶養控除や障害者控除などが増え、所得税がゼロになった世帯についても対象になる。各自治体で個別に相談してほしい」と回答しました。
  また、自治体の徴収が強権的になっていることに抗議。「固定資産税を分納していたら本税優先ではなく、延滞金も払わされていた」「滞納者に行政サービス制限条例を制定する自治体が広がっている。北海道では教育委員会が公立高校の授業料を滞納している生徒を出席停止や退学にする指示までしている」といった実態を示し、総務省の姿勢をただしました。担当者は「徴収強化を進めているのは事実」としつつ、「滞納者への行き過ぎた制裁はすべきとは思わない」と回答しました。

PHOTO
社会保障制度の改善を求めた厚生労働省との交渉
厚労省
機械的にしないと回答
国保の制裁措置問題に

 厚生労働省では、社会保障制度の改善について要望。4月から実施される後期高齢者医療制度の中止・撤回を求め、「高齢者が必要な医療を受けられるように努力するので制度への理解を」と回答。国保会計からの持ち出しによる支援金は減らすよう求めたのに対し「同様に理解を」としました。
  国保の短期保険証、資格証明書の発行をやめるようにとの要望には、「必ず加入者と接触の機会をつくり、機械的に発行しないように指導している」と回答。
  生活保護基準の1・3倍以下の世帯に対する国保減免制度をつくるようにとの要望については、「一律基準で減免を抑えることはやっていない」と答えました。
  参加者からは、国保が高すぎて払えない実態や資格証明書が機械的に発行されている事例が出され、改善を訴えました。
  また、医療制度改悪中止、年金制度の運用正常化を図れ、生活保護制度充実、ハローワーク統廃合計画の撤回なども要望しました。

PHOTO
憲法改悪を許すなとシュプレヒコールしながら行進する大会参加者
国交省
4号建築物 特例廃止は延期
耐震改修 要件も緩和

 国土交通省では、改正建築基準法の施行に伴う4号建築物(一般的な2階建て以下の木造住宅)の特例廃止の凍結を要求。担当官は「12月までの実施はない」と明言。「来年以降に決め、実施にあたっては全国で講習を徹底する。これまでの設計・施工などの慣行の尊重についてはパブコメなどで意見集約し、対応したい」と回答しました。
  また、住宅の耐震改修工事については08年度予算で低所得者への補助を引き上げ、一定の要件を満たす低所得世帯について「地域要件・建物要件を撤廃し、耐震改修費用の補助率を引き上げる」と回答しました。
  住宅瑕疵担保履行法について「高すぎる供託金など小規模な工務店には負担が重過ぎる」など、切実な要望が相次ぎました。

PHOTO
原油高などの問題で対策を求めた経済産業省との交渉
経産省
価格監視と指導強める
セーフティーネット拡充を

 経済産業省では、大阪府の代表が「原油高や建築確認申請の影響が深刻だが、政府の指定不況業種に指定されてないことから、セーフティーネット保証を活用できない。あらゆる業種に対象を広げてほしい。また、条件変更すると次の融資を受けられない状況を正すよう指導してほしい」と訴えました。
  愛知県の代表も「政府の緊急対策は融資にとどまり、施策が貧困。暫定税率を含めて石油製品を引き下げてほしい。政府は実態調査をして中小業者が何を必要としているかつかむべき」と指摘。
  また、原油高による買いたたきや便乗値上げの是正を求めると「価格監視を強化し、元売りなどにも便乗値上げをしないように指導を強めていく」と答えました。
  不況業種の指定については「3カ月に一度更新し、1月から3月までは不況業種を公表している。関連業界を受け持つ省庁の調査結果を見て、追加指定をするかどうか判断する」と後日、同庁から回答が寄せられました。

兵庫県の代表
制度融資で要望
独自に中企庁へ

 兵庫県の代表は独自に責任共有制度(部分保証)の問題で中小企業庁と交渉。
  開業資金、経営安定化資金、借換資金について返済ができなくなった場合、県が融資額の20%を直接補てんする制度が実施されず、中小企業庁からの回答待ちになっていることから要望したものです。
  同庁は「各自治体が独自制度をつくることに対し、国は何もいえない。しかし、金融監督行政とのかかわりなどもあり、合理性などを確認中」と答えました。
  兵庫県連の山内保英副会長は「業種によって1250万円以上の借り入れの要望はある。災害復旧融資が残っている業者にとって、県の経営安定化資金が使えれば、望みにつながる」と話し、企画官は、「兵庫県の地域金融課とも連絡を取り合っている。遠方から来られた趣旨も理解したい」と述べました。

国保中央会
国保改善で懇談
特定健診で一致も

 国民健康保険(国保)中央会では、国保制度の改善について懇談。4月から実施される後期高齢者医療制度が国保制度に与える影響について意見が集中しました。
  「後期高齢者医療制度について、中央会としては制度の中止は求めない」と断りつつ、特定健診の達成度に応じて、「後期高齢者医療支援金」が加算・減算される措置について意見交換。中央会も「国保加入者は、他の医療保険と比べても高齢者が多い。相対評価でペナルティーを受けるのは不合理」と、制度の矛盾を指摘しました。
  また、「老人保健法にはあった拠出金還元もなくなった。支援金は助け合いの保険料とは言えない。昨年の国保制度改善強化全国大会の決議で改善を求めている」とも述べました。

財務省
消費税で要請
猶予の活用示す

 財務省では、消費税率を引き上げないことを求めたのに対し「財政難のなか、社会保障財源確保のための検討課題」と、従来の回答に固執。
  「『消費税は預かり金的』との財務省の宣伝が強権的取り立ての根拠になっている。消費税法上も転嫁という規定がない。撤回すべきだ」と追及すると、「預かり金的性格に誤りはない」と開き直りました。
  また、延滞税が年率14・6%とサラ金並みの金利で、事業継続に大きな負担となっている実態を訴え、引き下げを要求。担当官は「換価の猶予」(国税徴収法151条)を示し、「一括納付や担保など、誠意をみせれば(延滞税を)適用しない」と回答しました。

金融庁
円滑な資金を
金融機関に要請

 金融庁では、原油・原材料高騰や改正建築基準法などで影響を受けている中小業者へ円滑な資金供給を要望。「影響の声は聞いている。リレーションシップバンキングの推進とともに金融機関に要請文を出した」と述べました。
  また、貸し渋りや差別・選別をしないよう求めたのに対し「円滑化のため、年末、年度末に中企庁と共同で関係金融機関と意見交換し要請している」と回答しました。
  「改正」貸金業法の順守にかかわって、「今だ取引明細を送らず、裁判所の提出命令を受けても出さない大手業者がいる」「ヤミ金業者の被害が多発しているが警察は動かない」などの事例を参加者が告発すると、「利用者保護を目的とする貸金業法に則して適切な監督を行っていく」と述べました。

保証協会
信用補完守れ
「共通の認識」と

 全国信用保証協会連合会では、今年10月の(株)日本政策金融公庫の発足に関連して、民間金融機関の補完にとどまることなく、保証協会本来の信用補完制度の趣旨が損なわれないように要望。「共通の認識」と回答しました。
  原油・原材料高騰などで影響を受けている中小業者へのセーフティーネット保証の拡充については「昨年12月の審査件数は通常の4・2倍。十分機能している」と述べるにとどまりました。
  一方、責任共有制度の導入や制度融資の窓口の銀行への移行に伴い、「審査が形骸化しているのでは」との指摘に「保証協会が審査を主導できず、金融機関への申し込みについては実態を把握していない」と回答。制度運用の問題点が浮き彫りになりました。
  最後に参加者は、連帯保証人が保証協会から残債6000万円を払えと裁判を起こされている事例を告発し、強引な債権回収を改めるよう強く要望しました。
 
     
全商連トップ ページの先頭