西日本豪雨で被害甚大 全国から被災地へ支援強めよう
西日本を襲った記録的な豪雨により、中国・四国地方を中心に土砂災害や河川氾濫が相次ぎ、甚大な被害が拡大しています。被災地では、最高気温が30度を超える猛暑の中、捜索・救助活動やインフラ復旧への努力が続いています。
死者は14府県で200人超に(12日時点)。4870人が避難所に身を寄せ(15日時点)、広島、岡山、愛媛を中心に約16万戸で断水が続いています(16日時点)。
被災地域の民商・県連は、役員や事務局員と連絡を取り合いながら会員の安否を最優先に状況把握に全力を挙げています。「店舗、倉庫が水没、商品のバイク・自転車が全滅」(岡山県総社市)、「土砂崩れで建物が全壊」(広島県竹原市、尾道市)、「周りの店舗の大半が冠水」(愛媛県大洲市)などの深刻な被害が報告されています。
全商連は被災状況を掌握しつつ、全国に救援募金と復旧作業のボランティアを呼び掛け、三役先頭に現地へお見舞いと支援に駆け付けています。
今大事なことは、国、自治体が総力を挙げ、日用品の提供、医療費や介護サービス料の減免、仮設等の住宅確保、店舗・工場の再建支援などの具体的な手立てを迅速に行うことです。また、さまざまな支援制度を受ける場合に必要な罹災証明書の申請など、大切な情報を知らせる相談活動も求められています。
なぜここまで被害が拡大したのか。梅雨前線が西日本に3日間もとどまり続け、台風7号により大量の水蒸気がもたらされた複合的要因が挙げられています。しかし、2014年の広島市内での土砂災害、15年の鬼怒川決壊など大規模な水害は列島上のどこかで毎年発生しています。多発する豪雨に備え、土砂崩れへの対策や河川管理、避難のあり方などの総点検と抜本的対策強化は急務です。
最も大切な人間の命を守り、人間らしい暮らし、生業をできるだけ早く取り戻す支援が必要不可欠になっています。「仲間同士の助け合い」で、困難を切り開いてきた民商・全商連運動の歴史に学び、全国の組織が全力を挙げて被災地域への救援活動を強めましょう。
全国商工新聞(2018年7月23日付) |