福島原発から7年 再稼働中止と完全賠償求めよう
2011年の東日本大震災から7年が経過しようとしています。甚大な原発事故被害を受けた福島県では、県は避難者が県内外で約3万5000人と集計していますが、避難区域以外からの自主避難者などは集計から除かれたため、いまだ10万人を超える人たちが元の土地で生活できないといわれています。
国と東京電力は、営業基盤を奪われた中小業者に対し、「事故との因果関係の証明」を求めた上、賠償の打ち切りや金額の切り下げを行っています。また、避難指示解除とともに仮設住宅が閉鎖され、移転できない人は医療や介護サービスに影響が出ています。復興公営住宅に移り住んだ人も家賃補助が縮小される不安を抱えています。
このように福島切り捨て政策を進める安倍政権は、原発事故などなかったかのように原発再稼働・輸出を進めています。
しかし、オール福島の被災者のたたかいをはじめ、被災者支援・完全賠償と原発ゼロを求める運動は大きな広がりと成果を上げています。
昨年10月には、福島県の民商会員が中心となって東電と国に原状回復と損害賠償を求めた生業裁判の福島地裁での勝利判決が出され、12月には広島高裁が愛媛県伊方原発3号機の運転差し止めを決定しました。福島地裁判決では、「事故は回避できた」「津波を予見できたのに対策を怠った」と、国、東電の法的責任を認定。原告約2900人に総額5億円を支払うよう命じました。被害救済では国の「中間指針」に基づく賠償の対象地域を拡大し、賠償金についても上積みを認めるものとなりました。
また、今年1月には2人の元首相が顧問を務める「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」が原発即時停止、2050年までに電力を再生エネルギーでまかなうことなどを柱とした基本法案を発表し、野党各党が協議を開始しています。
全商連も参加する「原発をなくす全国連絡会」は3月3日から11日を「原発ゼロ週間」として、全国で多彩な行動を呼び掛けました。福島の仲間のたたかいに固く連帯し、完全賠償・原発ゼロの運動をさらに大きくしていこうではありませんか。
全国商工新聞(2018年3月5日付) |