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政治資金から見える政党の姿 政党助成金、企業献金の禁止を

 2016年分の政治資金収支報告書が11月末、総務省から公表されました。ここには、日本の政治に関わる政党の姿勢が顕著に示されています。
 自民党の収入は税金から交付される政党助成金が72%を占めるのをはじめ、企業や政治団体を通じた献金と政治資金集めパーティーなどの収入で9割以上を占めています。当時、野党第1党の民進党も収入の88%が助成金となっています。企業・団体献金にも税金にも頼らず党運営をしている政党は日本共産党だけです。
 政党の財政は、党員が納める党費、支持者などからの寄付、発行する機関紙などの事業活動で支えられるのが本来のあり方のはずです。
 年末の資金繰りで四苦八苦する中小業者から見ても、国民に「自己責任」を強調する一方で、自らの「運転資金」のほとんどが税金から出ているという政党の姿は納得のいかないものです。
 利益を上げることが目的である企業が献金するのは「見返り」を求めるためで、企業献金は金権・腐敗政治を生む温床です。また、税金から支出する政党助成金(2016年は約320億円)も、政党を支持する、支持しないに関わりなく国民に負担を強制するもので、憲法が保障する思想・信条の自由に反します。
 そもそも政党助成金は1994年、当時の細川政権の「政治改革」で企業・団体献金禁止を進める代わりとして創設されたものです。この建前も投げ捨て助成金も献金も、もらい放題とは、あきれるほかありません。
 経団連は毎年「政策評価」を行い、与党への献金を呼び掛けています。今年も総選挙投票日の翌日10月23日に発表した「政策評価」には、「法人実効税率の20%台への減税」「消費税の10%増税」「原発再稼働推進」などを挙げ、自民党を高く評価しています。そして、2012年の第2次安倍政権の発足以来、財界からの献金は増加の一途です。まさに献金を通じた財界の政治買収そのものです。
 企業献金や政党助成金に頼る政党に、国民が願う政治の実現は期待できません。直ちに禁止・廃止せよ、の運動と世論を大きく広げていきましょう。

全国商工新聞(2017年12月18日付)
 

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