小池・希望の党をどう見るか 自民補完し改憲と戦争法を推進
総選挙を前に、民進党は小池百合子・東京都知事が代表を務める新党「希望の党」への合流を図り、事実上解党することになりました。希望の党とはどのような党なのでしょうか。
同党は、綱領で「立憲主義と民主主義に立脚」すると掲げていますが、9月27日の結党会見で、憲法違反の安保法制=戦争法を容認し、9条を含めた憲法改定を推進する立場を明確にしました。小池氏は、民進党から希望の党に合流する候補者に「改憲と安保法制」の承認を踏み絵として迫ることにも言及しています。
中心メンバーの顔触れも、自民党の中枢にいた人、野党共闘に反対して民進党を出て行った人、極右・靖国派や日本会議に所属する人たちばかりです。以上を踏まえれば、希望の党が「自民党政治の補完勢力」であることは明らかです。
安保法制反対を旗印にこの2年間、市民と野党の共闘が大きく広がりました。2016年7月に行われた参議院選挙では、定数32の一人区すべてで野党統一候補の擁立を実現し、11人が勝利しました。また、全商連も参加する市民連合と日本共産党、民進党、自由党、社民党の野党4党は次期総選挙での共通政策で合意し、各地で野党統一の候補者調整を進めてきました。民進党の動きは、こうした共闘の積み重ねを否定し、改憲勢力に屈する重大な背信行為と言わざるを得ません。
私たちの願いを希望の党に託すことはできません。一時的な逆流があったとしても、市民と野党の共闘の流れにこそ未来があります。
総選挙は、憲法を壊し、国政を私物化する安倍自公政権を退陣に追い込み、新しい政治をつくる絶好のチャンスです。同時に民商・全商連は、緊急・切実な五つの要求-消費税10%中止、憲法9条改悪阻止、地域循環型経済への転換、対話による北朝鮮問題の解決、原発再稼働中止などを掲げています。
どの党と候補者が私たちの要求を実現してくれるのかを集まって話し合い、会員の思想信条と政治活動の自由を最大限保障し、歴史的政治戦に立ち上がりましょう。
全国商工新聞(2017年10月9日付) |