「共謀罪」法が施行 違憲性知らせ廃止に追い込もう
先の通常国会で安倍政権が国民の大反対を押し切って強行成立させた「共謀罪」法が施行されました。「共謀罪」法は内心を調査し処罰対象にする憲法違反の法律であり、日本の刑法の大原則と相いれないものです。
これまでの刑法体系では、犯罪の具体的行為があって初めて処罰されることが基本でした。ところが「共謀罪」法は277もの犯罪を対象に、実際に事件が起きていない段階でも2人以上で「計画」し、うち1人が「実行準備行為」をしたと警察が判断すれば全員処罰できるという仕組みです。
中小業者に関しても、所得税法、法人税法、消費税法などが含まれ、節税対策の集まりが警察によって「脱税目的の組織的犯罪集団」だと恣意的に認定されれば、捜査の対象となり、逮捕される危険性は依然解消されていません。
安倍政権は、2013年の特定秘密保護法、15年の戦争法(安保法制)に加え、今回の「共謀罪」法と違憲立法を次々強行し、「戦争する国」づくりを加速させてきました。
しかし、国民・中小業者のたたかいで安倍政権は追い詰められています。横暴な国会運営、森友・加計学園問題などの国政私物化、憲法9条改憲発言など目に余る安倍政権のおごりに対し、先の東京都議選では自民党惨敗という有権者の厳しい審判が下されました。高い水準を誇っていた内閣支持率も30%台へ急落といわれる状況です。
法律が施行されても、これまでにも増して多数が結集した国会前行動や、全国各地での抗議などが行われています。私たち民商・全商連は「集まって、話し合い、助け合って、営業と生活を守る」ことを活動の原点としてきました。今後も、萎縮することなく、話し合いや助け合いを強めていくとともに、法律の違憲性を広く知らせ、発動させない世論をつくっていくことが重要になっています。
安倍政権の暴走を許さないたたかいと結び、秘密保護法も戦争法も「共謀罪」法も、国税通則法に組み込まれた「扇動罪」も、すべて廃止に追い込むため運動を大きくしていきましょう。
全国商工新聞(2017年7月24日付) |