核兵器禁止条約の制定へ 「ヒバクシャ国際署名」広げよう
昨年10月末、国連総会において核兵器禁止条約の交渉に入る決議が圧倒的賛成多数で採択されたことを踏まえ、3月27日から国連の会合が始まります。
アメリカによる広島・長崎への原爆投下から70年余、被爆者をはじめ、粘り強い反核平和運動が国際社会を動かし、「核兵器のない世界」への扉が開かれようとしていることは重要です。
核兵器禁止条約が画期的であるのは、仮に核保有国が参加しなかったとしても、国連加盟国の多数が賛成して締結されれば、核兵器を人類史上、初めて「違法化」することができるからです。条約に調印した各国には、発効以前から条約の内容に反することはできないという義務が生まれます。
例えば、「核兵器を搭載していない」という証明なしに、核保有国の艦船や航空機が条約調印国に寄港したり、立ち寄ったりすることが不可能になります。核兵器を抑止力とし続けてきた身勝手な軍事戦略は手足を縛られ、破綻に直面します。
それだけに核保有国は強く反発しています。アメリカやロシア、イギリス、フランスは交渉開始の国連決議に反対し、中国も棄権しました。アメリカに至っては、軍事同盟を結ぶ諸国に交渉への不参加を求める書簡まで送りました。
この圧力に、いとも簡単に屈したのが安倍政権です。核保有国の主張そのまま、核兵器禁止の「段階的アプローチ」を主張して、国連決議に反対票を投じました。唯一の戦争被爆国である日本への信頼を国内外で失墜させ、命を懸けた被爆者の訴えにも背く許し難い態度です。
いま、国連会合の開催を一つの節目として「ヒバクシャ国際署名」が世界で数億を目標に取り組まれています。日本でも3月27日、衆院議員会館前での大集会と主要駅頭での宣伝・署名行動が展開されます。
平和でこそ商売繁盛です。原水爆禁止世界大会の成功を支え、反核平和運動に一貫して貢献してきた民商・全商連の歴史に確信を深め、草の根から「ヒバクシャ国際署名」への賛同を大きく広げようではありませんか。
全国商工新聞(2017年3月13日付) |