核兵器禁止めざす条約に日本が反対 ヒバクシャ署名広げ民意示そう
ニューヨーク現地時間の10月27日、国連総会の第1委員会において「核兵器禁止条約の交渉を行うことを求める決議」が約7割を占める123カ国の賛成多数で可決されました。
この結果、核兵器の全面廃絶につながるような法的拘束力を持つ法文書の検討が、来年3月、および6月〜7月に国連で行われることが確実になりました。人類と決して共存することのできない核兵器を世界からなくすため、歴史的な一歩を踏み出したことは重要です。
こうした一方、許し難いのは日本政府です。昨年、核兵器禁止の法的措置を検討する作業部会を設置するための決議案に「棄権」しましたが、今回の決議案に対しては、ついに「反対」に転じたのです。
その理由として、日本政府は「核兵器国と非核兵器国の協力による具体的、実践的な措置の積み重ねが不可欠」「決議は双方の対立を一層助長し、亀裂を深める」などとしましたが、平和を希求する国際社会に通用する道理はありません。アメリカの「核の傘」政策に追随し、その圧力に屈した態度が厳しく批判されているのは当然のことです。
唯一の戦争被爆国である日本の政府が取るべき態度は、はっきりしています。戦後71年を経てなお、命をかけて核兵器のむごい実相を訴える被爆者に心を寄せ、アメリカなど核保有国の身勝手な「核抑止」政策と決別することです。今年12月の国連総会本会議で、条約の交渉開始に賛成することを強く要求します。
私たち民商・全商連は痛苦の戦争体験を踏まえ、「平和でこそ商売繁盛」を一貫した信条としてきました。そして原水爆禁止世界大会の成功も支え続け、核兵器廃絶をめざす日本と世界の運動に貢献してきました。
安倍政権の「戦争する国づくり」を阻止するたたかいは戦争法廃止・立憲主義回復をめざす「市民と野党」の共闘を通じて大きく発展しています。
このたたかいと結び、「核兵器のない世界」を実現するため、「ヒバクシャ国際署名」への賛同を大きく広げようではありませんか。
全国商工新聞(2016年11月14日付) |